Excelのセルにシリアル値で日付を入力し、それを様々な形式で表示することができます。
それに関連して「Excel 表示形式(2)」記事でご紹介しています。
その日付表示を“和暦”でも表示できます。
つまり、「令和6年7月20日」という形式です。

あるセルに「2024/7/20」と入力し、[Ctrl]+[1]キーを押して「セルの書式設定」ダイアログを出します。
「表示形式」タブで、左側の「分類」で「日付」を選択、右側の「カレンダーの種類」で「和暦」を選択すると、「令和6年7月20日」と表記されます。(下図)

 

このとき、そのまま左側の「分類」で「ユーザー定義」を選択すると「種類」欄には「[$-ja-JP-x-gannen]ggge"年"m"月"d"日";@」と表記されています。(下図)

 

この表示形式にある「[$-ja-JP-x-gannen]」とは何でしょう?

「[$-ja-JP]」は元号表記にするコマンドです。
「[$-ja-JP]ge.m.d」とすると「R6.7.20」
「[$-ja-JP]gge"年"m"月"d"日"」とすると「令6年7月20日」
というように略記表記となります。

「[$-ja-JP]yy"年"m"月"d"日"」とすると「24年7月20日」となります。
「[$-ja-JP]」で元号表記としたものの、年表記を「yy」としたことでグレゴリオ暦表記となります。

「[$-ja-JP]ggge"年"m"月"d"日"」とすると「令和6年7月20日」と表記されます。

ところで、「[$-ja-JP]」を省いて「ggge"年"m"月"d"日"」としても「令和6年7月20日」と表記されます。
ならば「[$-ja-JP]」は不要か?とも言えそうですが、「ggge」が出てきた時点で暗黙に「[$-ja-JP]」があるものと解釈されているようです。

それでは、「-x-gannen」が付くとどういう意味になるのでしょう?
これは「元年」つまり「令和1年」のようにその元号の最初の年だけ「令和元年」というように「元年」表記になるコマンドです。
最初の図「セルの書式設定」ダイアログにおいて、「和暦」を選択したときに、その下にあるオプション「1年を元年と表記する」のチェックを外してから、改めて「ユーザー定義」に切り替えてみると「-x-gannen」が無くなっています。(下図)

 

日付が入力されているセルの表示形式を和暦にするなら上記のようにすればよいですが、日付のセルを参照して和暦表示したいときは「TEXT」関数を使います。
例えば、C1セルに以下のように入力します:
  =TEXT(A1,"[$-ja-JP-x-gannen]ggge年m月d日")
これで、和暦表示とすることができます。(下図)

 

もちろん、令和元年となった 2019/5/1 とすれば「令和元年5月1日」と表記されます。(下図)

 

実は、この元年対応になったのは 2019/5/1 ではなく、数日遅れて配布された更新プログラムで対応されました。
現在は、このような配慮をしなくとも、デフォルトで元年表記され、意図して「令和1年」としたいときだけ、「1年を元年と表記する」のチェックを外すか、
  =TEXT(A1,"[$-ja-JP]ggge年m月d日")
とすればよろしいです。