子供の頃から、英米文学/日本文学専門のウニパパから、早朝座敷で正座させられ、色んな物を朗読させられてたウニですが、、、。成人してから、その有り難さが解ります。1つのメルヘンを解説してる時の、親父のイカレタ顔、今でも思い出しますw Mamiさんの所で出てたので,久しぶりに懐かしくなって、読んでみると、やはり言葉が煌めいているというか、音楽的というか、読んだ後に、余韻を残す不思議な彼の詩です。取り敢えず,好きな詩二つ。是非、本で読んで下さい。後、小林秀雄さんによる追悼文は、読む度に、、、、。言葉では表現できない物が、心に残ります。
妹 よ
夜、うつくしい魂は涕(な)いて、
——かの女こそ正当(あたりき)なのに——
夜、うつくしい魂は涕いて、
もう死んだつていいよう……といふのであつた。
湿つた野原の黒い土、短い草の上を
夜風は吹いて、
死んだつていいよう、死んだつていいよう、と、
うつくしい魂は涕くのであつた。
夜、み空はたかく、吹く風はこまやかに
——祈るよりほか、わたくしに、すべはなかつた……
一つのメルヘン
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があつて、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射しているのでありました。
陽といつても、まるで珪石か何かのやうで、
非常な個体の粉末のやうで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもいるのでした。
さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでいてくつきりとした
影を落しているのでした。
やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもいなかつた川床に、水は
さらさらと、さらさらと
流れているのでありました…