林修の金曜旬語録
あ け て ぞ け さ は この ぞ というのは 係助詞 の ぞ ですよね。
【 係り結び 】を作ることを、昔授業で習った方もいるんじゃないですか？
ところが、ある方が小さい頃この曲を聴いて、ここで切ってしまったと。
あけて ぞけさは 別れ行く
と勘違いしてしまった方が、実はいらっしゃると。
それが、この方です。
フランス文学者にして映画評論家、そして第２６代東京大学総長でもある、
はす み しげ ひこ
蓮 實 重 彦 さんです。
ホントに尊敬する人の少ない僕の中でも、数少ない心の底から尊敬している人です。
学問的な実績もそうですし、もう先生の書かれた「反＝日本語論」は、
何十回読んだか分からないですね。読む度に新しい発見がある。
夏目漱石論とか、あるいは映画について書かれた文章を天にして、
模擬試験を作ったこともあります。
読めば読むほど、こんなに深く考えていらっしゃる。
それだけではなく、日本語の使い方のレベルが高い。
一歩でも近づきたい ですね。
その蓮實さんは小説家でもありまして、２０１６年８０歳の時に、
「伯爵夫人」という作品で『三島由紀夫賞』を受賞しました。
普通はそういう受賞式で受賞者は喜びを語りますよね。ところが蓮實さんは違うんです。
ご覧下さい。
記者 三島賞を受賞された 蓮實 重彦 さんです。
記者 凡庸な質問で恐縮ですが、三島賞を受賞されたご心境を伺がわせていただければ。
蓮實さん ご心境という言葉は、私の中には存在しておりません。
蓮實さん ですから お答えしません。
記者 ありがとうございます。
記者 ご受賞を喜んでいらっしゃるのでしょうか？
蓮實さん まったく喜んではおりません。
はた迷惑な話だと思っております。
えー？！
日本社会って、もらってそんなに嬉しくなくてもとりあえず喜びを口にしてその場を繕う。
嬉しくないものは正直に言えばいいじゃないですか 。
素晴らしく思いましたね 。流石だなあーと 。
つ づ く・・・