冷蔵庫に羊羹を見付けました。
で、夏目漱石の『草枕』の一節を思い出したので、食べてみる事に。
「菓子皿のなかを見ると、立派な羊羮が並んでいる。余は全ての菓子のうちで最も羊羮が好きだ。別段食いたくはないが、あの肌合いが滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線をうけるぐあいは、どう見ても一個の美術品だ。ことに青味をおびた練り上げ方は、玉と蝋石の雑種のようで、はなはだ見ていて気持ちがいい。のみならず、青磁の皿に盛られた青い練羊羮は、青磁の中から今うまれたようにつやつやして、思わず手を出してなでてみたくなる。西洋の菓子でこれほど快感を与えるものは一つもない。クリームの色はちょっと柔かだが、少し重苦しい。ジェリは一見宝石のように見えるが、ぶるぶるふるえて羊羹ほどの重味がない。白砂糖と牛乳で五重の搭を作るに至っては言語道断の沙汰である」
この“青い羊羹”とは、抹茶羊羹だ!!という意見を見ましたが、私は普通の小豆の羊羹だと思いました。(豆のスープだとおっしゃる方も。。)
この主人公の画家くんのように、とりとめのない下らない事を考えながら食べてみたのですが、一口目でアウト!!!(全ての思考が一瞬で羊羹にかっさらわれた)
全身の細胞が、この食べ物に対してノーサインをだしている!!
「なでてみたくなる」気持ちが分からないうちに、口の中のヌメヌメした感触に、萎えました。(私の下踐な舌に問題大有りなのですが)
これは、『藤むら』の羊羹じゃないからだ!!と自分に言い聞かせながら、張り切って三切れも切っていた自分の浅はかさ(ミーハー心)を恨みつつ、コーヒーで流し込むという惨劇に発展しました。
でも彼は確かに言っている。
「別段食いたくはない」と……………。
ところでこの作品、那美さんの電波具合がめちゃくちゃウケる。
見る人が見たら、「萌え~!!」の域だと思いました。