お茶を飲みながら、そばのベッドで眠るうにを見てつらつらと思うこと。
うに、しあわせ?
何度も書いているけれど、うには野良猫だった。
捨て猫ではなくって、公園の片隅で野良猫のお母さんから生まれた野良猫。
親切なおじちゃんとおばちゃんにえさをもらって、お母さんと兄弟たちと暮らしてた。
きっとお母さんも野良猫だったんだと思う。
(うにたち兄弟を生んだ後、お母さんは避妊手術を受けた)
うにをお迎えに行ったとき、おじちゃんとおばちゃんには
「1匹しかお迎えできない」ということを伝えていた。
悲しいけれど、今のそよとももさんにはこれが精一杯。
うにをキャリー入れて、車に乗るとき、うにのお母さんや兄弟たちは
うにがいなくなることを理解できなかったと思う。
特に、お母さんはずっとあたしたちの後をくっついてきた。
本当は、お母さんも、兄弟たちも、一緒にお迎えしたかった。
でも、できなかった。
その後、1か月くらいして、うにのお母さんと兄弟たちが暮らす公園に行ってみた。
うにのお母さんは、真っ先に近寄ってきて、そよの足にすりすり。
兄弟たちも元気いっぱい、うににそっくりな姿を見せてくれた。
そよはなぜだか涙が出てきて、泣けて泣けて、悲しくなってしまった。
ものすごい罪悪感と、自分の偽善者っぷりに。
猫たちの無邪気さに。
あたしにはできないことが多すぎて、自分に腹が立って、くやしくて。
ごめんね。うにだけうちの子にしてしまって。
みんな一緒にお迎えしてあげられなくって、本当にごめんなさい。
うには、あたしたちの都合と勝手で、我が家にやってきた。
雨が降っても、寒くなっても、あったかい家の中でごはんを食べることができる暮らし。
車や心無い人間たちや、危険なことにおびえることない暮らし。
でも、もうお母さんと兄弟たちと暮らしたあの公園には戻れない。
うには果たしてそれでもしあわせなんだろうか。
こんなことを思うそよはものすごく身勝手な人間なのだと思う。
猫を飼う資格はないのかもしれない。
小さな命に責任を持って、家族として暮らしてゆくこと。
うにを見守りながら、日々自分に問いかけてゆきたいと思う。
うににとって、何がいちばん大切なのか、いちばんしあわせなのか。
そよにとって、ももさんにとって、できることは何なのか。
今はまだちょっと無理だけど、本格的な冬になる前に、あの公園に
かりかりを持って行こうと思ってる。
そんなことしかできない自分に腹が立つけれど、
うにをしあわせにしてあげることがそよにとっていちばん大切なことだと信じて。
うに、そよとももさんのところへ来てくれてありがとう。