みなさんこんにちは。
ユニフォームコンサルタント福島です。
前回の記事「撥水の原理とカンタン回復法(上)」
では衣類の表面に化学合成物質が接合されていることと、
その化合物が針のような形状をしていることで
水滴を滑らせ水を弾いているということをご説明しましたね。
今日はそんな撥水効果が弱まった時にカンタンに
回復させる方法を透湿・防水素材で有名な
ゴアテックス を例にお話ししようと思います。
ゴアテックス は言わずと知れた超有名な
防水性と透湿性を併せ持つ高機能素材。
もともとムレが命取りになる登山の用途での
新素材として開発され、その後キャンプ用テントや
レインウェア、防寒アウターなど幅広く応用されています。
その最大の特徴である雨を衣服内に侵入させず
衣服内の汗などの水蒸気を外に放出し、
ムレによる冷えを抑える機能を可能にしたのが
下図の真ん中の層にある「メンブレンフィルム」
このメンブレンフィルムが雨をブロックし
水蒸気は外へ逃がしているのです。
しかしこの図の仕組みからもわかる通り
通常いくつもの層で構成される
ゴアテックスファブリックの生地表面には
雨をブロックする機能がありません。
あくまでも中の層にあるメンブレンフィルムが
雨をブロックしているのです。
それなら、表面は濡れてもよさそうな気がしますが
それでは困る理由があるのです。
その「困る理由」とは表面の生地に染み込んだ雨などの
水分が全身を包み込みまるで保冷剤のような役割を
してしまう「ヒートロス」という現象を回避するため。
そうなんです、いくらメンブレンフィルムが雨をブロックしても
表面の生地に水分を蓄えてしまうと体温は奪われてしまうのです。
このことからもわかる通り「濡れなくて快適」だけが
クローズアップされがちな撥水加工ですが実は
防寒対策としても非常に重要な役割を担っていたのですね。
「撥水=防寒」
登山をされる方なら常識ですが、一般の方にとっては
少々意外だったのではないでしょうか。
さて、次回はその撥水加工の洗濯方法や
カンタンな回復法などをお伝えします。
それでは今日はこのへんで♪
ユニフォームコンサルタント福島でした。
企業様向けにサンプル商品の貸出も行っております。ぜひご利用下さい。