センター試験直前講習(その3) | エセ化学者の理科の学校

センター試験直前講習(その3)

問題を続けます。


次の記述のうちから、正しいものを2つ選べ。

①原子番号が7の原子はL殻に7個の電子をもつ。

②12Cと13Cの原子は、同じ電子配置をもつ。(数字は左肩で、質量数です)

③アルカリ金属の原子は、イオン化エネルギーが大きい。

④Li+、Na+、K+ のうちで、イオン半径の最も大きなものはLi+である。

⑤原子量が整数にならないのは、同素体が存在するからである。

⑥ハロゲン元素の原子は、電子を容易に受け入れて、一価の陰イオンになりやすい。


①原子番号7の元素はN(窒素)ですが、電子はL殻の内側にあるK核(最大2個収容)から埋まっていきます。ですから、L核の電子は5ことなります。

②原子番号の左側に書かれる情報は、陽子の数や、質量数などでこれらは原子核の情報で、電子とは関係ありません。つまり、元素記号が同じであれば、同じ電子配置となります。

イオン化エネルギーとは、一番外側の電子一個を奪い取るエネルギーを表しています。アルカリ金属の原子は最外殻電子が一個ありこれは容易にとることができ、安定なアルカリ金属イオンに変わります。よってアルカリ金属の原子のイオン化エネルギーは小さい値となります。

原子番号が増えると、より多くの電子を収容しなくてはならないため、イオン半径も大きくなります。よってLi+、Na+、K+ のうちで、イオン半径の最も大きなものはK+である。

原子量が整数にならないのは、同位体が存在するからです。同素体と、同位体の意味をもう一度確認しておきましょう

⑥ ③ではアルカリ金属が電子一個を奪い取るのが容易と解説しましたが、ハロゲン元素はこの逆で、一個の電子を受け入れて、安定な1価のイオンとなります


以上の解説より、正しいものは②と⑥です。


試験の直前では、あまり難しい問題を解くのではなく、簡単な問題を多く解いて最終確認をするのがよいでしょう。