エッセンシャルオイル解説 ペパーミントオイル(その6)1,8-シネオール | エセ化学者の理科の学校

エッセンシャルオイル解説 ペパーミントオイル(その6)1,8-シネオール

エッセンシャルオイル、今回はペパーミントオイルについて解説しています。今日は1,8-シネオールについて解説します。

 1,8-シネオールが最も多く含まれるのは、ユーカリ類の精油で、90%もの1,8-シネオールを含んでいます。1,8-シネオールはこのユーカリ油のほか、ショウノウ白油、カヤプテ油、などにも多く含まれ、これらを分留(蒸留で、沸点ごとに分けて精製すること)することにより、ほとんど100%に近い1,8-シネオールが得られます。また微量ですが、バジル、ヨモギ、ニガヨモギ、ローズマリー、セージなどの精油中にも広く存在します。

 1,8-シネオールはショウノウ様香気と清涼な味を呈する無色の液体ですが、冷やしてゆくと固体となり、白い結晶となります。(融点1.5℃) また、アロマテラピーでは特に有用な局所刺激作用、消炎作用の効果を持っているため、気管支炎、鼻かぜなどの医薬品に併用されたり吸入剤に使用されるほか、歯磨、口腔洗浄剤、殺菌防臭剤、エアーフレッシュナーなど幅広い用途に用いられます。

 シネオールは、1,8-シネオールのほか、1,4-シネオールという構造異性体が存在しますが、1,4-シネオールにはあまり有用性が認められていません。
cineole

 化学的な構造としては、ローズオキサイドと同じような架橋した酸素原子があり、これが環状となっているため、環状エーテル類に分類されます。このため、水素結合をしないため、沸点が低く、揮発性があり、香り立ちが非常に良いです。

 以前に接尾語「オール」がつくと大抵はアルコールであると説明しましたが、このシネオールはこの例外にあたりますね。これは日本語で書くと確かに接尾語が「オール」となるのですが、シネオールを英語で書くと、Cineole となり、通常アルコールを表す -ol とは異なります。つまり接尾語が「オール」で終わっていても、アルコールを示す[オール」ではないんです。