娘の憧れだった太陽のような選手は

翌年には、テニスで県外へ進学すると聞いていた。



彼女との公式戦は最後になるかもしれない。


娘はいつも以上に気合いが入っていた。



憧れと同時に倒したい相手でもあった。

しかもこの決勝戦に勝てば、地域大会に進める。





色んな思いが重なって試合が始まった。





憧れの選手は、この試合、静かに入った。



逆に

娘は高揚していた。



そして

高揚はいいプレーを生んでいた。



声も足もよく出ていた。




憧れの選手は、娘のプレーを静かに受け止めるようだった。いつもと様子が違っていた。



この大会、娘は好調だった。

決勝まで楽に進めてきていた。




そして

最初のサービスゲームをキープできた。


娘は流れをつかむのか、まだ分からなかった。



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