父の日の前日

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明大前のスタバ。

テラス席に座るには少し肌寒い。

高2長男のネルシャツを借りて店内に席を変えた僕の目の前には、ガラス越しに、VLのロゴがプリントされた服を着る犬を膝に抱えた華奢なご婦人が座る。

 

急に打合せの予定が入ったというTミーと別れ、妻との待ち合わせをまで1時間はある。

 

Tミーとは、2011年に農業ビジネスデザイン学科(農ビ)で友に学んだ仲間。

当時、MRとして勤務していた会社を辞め、薬剤師のかたわら養蜂家としての活動をはじめて4年になるという。

今日は、彼が採密してつくった、日本産非加熱の蜂蜜を受け取りに来た。

エステを営む農ビ仲間にも評判だという。大切に受け取った。

 

 

塞翁

 

「人間万事塞翁が馬」

~城塞に住む老人の馬がもたらした運命は、福から禍(わざわい)へ、また禍(わざわい)から福へと人生に変化をもたらした。まったく禍福というのは予測できないものである~

 

おそらくは、この故事から引用されたと思われる店名。

店主は、楽しそうにボードゲームの説明を繰り広げる。

 

店主は、それがまるでちゃんとトレーニングされたレストランのウエイターでもあるかのように、男の私にではなく連れの女性に視線を注ぎ、慎重に相手の反応を見ながら、デモンストレーションを繰り広げる。

 

「結構なゲーマーですよ」

 

それは決して上滑りのお世辞ではなく確信をついていて、彼女が実際にボードゲーマーであったことが、その後、判明する。

 

数あるもののなかで、店主が見繕ってくれたのは【Patchwork】

 

3つのテーブル席と5人ほどがすわれるカウンター席のある店内は、気がつけばほぼ満席で、水曜日の夜に仕事帰りのサラリーマン風の中に、ぽつぽつと女性の姿も。

 

「1,2,3,4,5」

 

確かめ合うように数を数える小さな合唱、丸い笑い声。

 

店内は禁煙。

ケーキやアイスクリームの持ち込みにも寛大で、2時間ワンドリンク制は500円~と極めて良心的でありながら、こだわって仕入れたコーヒー豆をハンドドリップで。

 

隣に出来た「豆屋食堂」の定食(850円)で満たされた胃袋が、あたたかい雰囲気にじわーっと落ち着いていく。

 

一勝二敗

 

勝負に負けても、気分がいい

 

 

昨夜はアマゾンから"Carcassonne"が届き、夕食前に広げていると、先に興味を示した高2の長男が説明書を読解しはじめ、中3の次男が後に続く。

 

夕食後に、1ヶ月半遅れのバースデーケーキが5本のローソクと共に運ばれてきて、次男がスマホで写真を撮り、みんなでバースデーソングを。

リクエストしたチョコレートケーキを食べながら、まったく説明書を読む気のない妻に、3人がかりでゲームの進め方を伝える。

 

途中、「それは聞いてなかった」と、妻に逆ギレされながら、

 

「ゲームは、EQが試されるからね。自分の感情をどれだけコントロールできるか。大切よ」

と、男三人で対抗する。

 

妻と次男は、終始、口が動き、

 

「金魚の集中力は9秒」

を引き合いに、口チャックを促す。

 

途中の進行から最後の得点集計まで、長男が仕切り、長男への信頼はあつく、残り三人はただ従うのみ。

 

結果

1.長男

2.妻

3.僕

4.次男

 

30分の標準ゲーム時間に対して、2時間。

 

 

ガラス越しの夫人はが居なくなり、

ベンチに忘れられたベージュの毛布に気づいて、

少し走ってお届けしたら、

 

「入院して7kg痩せて、そのまま座ると痛いから、敷いていたの。この子(犬)に外の空気を吸わせてあげようと思って。ほんと、ありがとうございました。」

 

 

勝手に借りた長男のネルシャツは、あったかい。

 

妻との待ち合わせに向かう時間。

 

大久保で焼肉のあとに、「万引き家族」の予定です。

 

Have a happy father's day♪