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「自分という存在は、そもそも何だろう……」ーーあなたはそんな風にあらためて想う時は、ありませんか?
池上彰著「おとなの教養 私たちはどこから来て、どこに行くのか?」NHK出版新書 では、
これは人類の永遠の疑問であり、
そこから宗教が生まれ、哲学、歴史学、天文学等の様々な探求が生まれてきたと、
書かれています。
それは「リベラルアーツ」とも呼ばれ、
専門分野に細分化したそれぞれの学問・研究を下支えして、
大人としての社会や世界に対する幅広い見識を育てる「学び」なのでした。
そして、2015年この現代を生きる私達にとって必須な「リベラルアーツ」として、
「自分自身を知る」という問いに答える7つの分野を、
新たに池上彰さんが選び直して、サックリ包括的に紹介しているのが、
この本なのです。
(1)宗教の起源を知る
(2)宇宙の発生と仕組みを知る
(3)人類(ホモ・サピエンス)の発生と旅路を知る
(4)人間と病気、ウイルスと遺伝子の関係を知る
(5)経済学が生まれ、経済学によって世の中が動かされていることを知る
(6)歴史をどのようにとらえれば良いかを知る
(7)そもそも、「日本とは何か」「日本人とは何か」を知る
この2015年という時代状況は、
先の見えにくい、不安定要素の多い混沌におおわれているーー
と言えるでしょう。
だからこそ、です。
地球規模の視野で「私たちはどこから来て、どこに行くのか」を探求するリベラルアーツは、
今を生きる大人達にこそ、必要な「学び」となっているのではないか!
こうした池上彰さんの問題提起は、とても根源的であり、
信頼できるーーと、私もおもいます。
「2015年からこれから未来、どのように生きたらいいか??」
ーーそんな疑問や不安を抱えている大人の方々に、
この本をぜひお薦めしたいのです。
私達は常日頃、自分の専門分野や職種、目の前の課題に、
どうしても意識を集めてしまいますが……、
いわば、「地球大の補助線」を意識の内に引くと、
自分の仕事と世界の関係、
自分の人生と地球の関係を結びつけて、考えやすくなるでしょう。
そんな、「地球大の補助線」として、私たちが頼りにできそうなのが、
池上彰さんの宗教から経済、宇宙、政治まで渡る、
ひじょうに広範な見識なのです。
私にとって最も「目からウロコが落ち」て面白かったのは「歴史」についてでした。歴史とはおおむね「覇権」「勝者」の側からつづられてきた、
勝者の物語がほとんどでしょう。
市井の人物、あるいは「勝てなかった側の物語」は、語られてないのです。
そして、歴史は必ずしも直線的に進歩するものではないーー
ということも、池上さんは語っています。
冷戦が終わっても、世界各地では地域紛争やテロが頻発してますし、
中東や北アフリカで「アラブの春」が起こっても、
市民が自由になるというより、超原理主義が台頭しているわけです。
私たちは歴史と、どうつきあっていったら良いのか?
これは歴史に対する「メタ視点」、
いわば「メタ歴史観」とも言えるでしょう。
日本やアジア、世界各地の地域の歴史に着目するというよりも、
「私達にとって歴史とはそもそも何であるか?」を意識しつつ、
緻密に歴史の流れをとらえる、ということでしょう。
この「メタ視点」を持ちながら「歴史」をみつめる所が、
私=立野にとっては最も興味深い箇所でした。
こうして、2015年のカオスな時代状況を生きる私達だからこそ、
地球規模の視野のリベラルアーツの学びが、
「これから、どう生きたらいいのか?」
という賢明なヒントを与えてくれるでしょう。
時間と気持ちに余裕を持てる(かもしれない)正月の期間に、
この本を読むのは特に向いているカモです。
そしてKindle版もありますので、iPhoneやタブレッド等にダウンロードして、今スグにでも読められます。
本棚に場所を占めないのもナイスですね。
