迷子になる程酔っ払った翌朝。
今や常宿となった御徒町の吉池ホテルを、元気よくチェックアウト。
昼頃からの下北沢での「うさぎのみみっく!!」ライブまで、
いつものようにアートな時間を過ごそう。
行き先は、ここから歩いて数分の上野公園。
気温は朝から軽く30度を超している。
この辺は得意なエリアなのだが、
前夜は見事に迷子になった。
あっという間に到着した、JR上野駅。
左側に見えるのが、
今回の目的の上野の森美術館。
美術館や博物館が林立する上野公園だが、
その中でも最も上野駅に近い位置にある美術館である。
そしてこの日の展示は、
「石川九楊大全」。
途中入れ替えの前後編での展開、
この日は後編の最終日だった。
間に合った。
展覧会の最終日は得てして大混雑となる。
その後の「うさぎのみみっく!!」に遅刻してはいけないので、
開場の15分前の9:45に到着。
ありゃ、先客は一人。
しかし、暑い。
早く開けてくれえ。
石川九楊は、在命の前衛書道家。
上の写真のパネルにあるように、
かなりアヴァンギャルドな作風である。
代表的作品のごくごく一部を、
いい加減な解説でご紹介。
エロイ・エロイ・ラバサバクタニ。
同じタイトルで複数の作品が存在し、
数十メートルにも及ぶかなりの横長の大作も展示。
またこのように、グレー色の半紙に描かれた作品が多く見られた。
源氏物語書巻五十五帖「推本」。
究極にアヴァンギャルドな代表作。
ただこの作品は後編での展示に見られなかった(と思う)。
九楊は
「書道は文字を書くのではない 言葉を書くのだ」
というようなことを言っていたと思う。
確かにこれは、文字じゃないよなあ。
逆に、確かに言葉だ(おいおい、わかってるのか?)。
そんん九楊は、谷川雁をはじめとする詩歌をモチーフとした作品も多い。
また自作の俳句を作品化した小品も多数作成している。
これは「夜も鳴く蟬の灯あかりの地に落る音」。
まさに、文字ではなく言葉を描いている。
展示場内は、完全撮影禁止。
ただ、ロビーでの一部のみ撮影可能となっていた。
え?これは新潟の清酒八海山ではないか。
この八海山のラベルの作者は、
実は石川九楊だったのだ。
初めて知った。
この数年、新潟の酒は朝日酒造ばかりだったので、
久しぶりに八海山を飲みたくなった。
たぶん、味が変わることだろう。
気分の問題ですが(笑)