銃 大全 構造から威力、精度、弾速、弾道まで解説!
かのよしのり 著
SBクリエイティブ
銃とは何か。
サブタイトルにあるように、
構造から威力、精度、弾速、弾道まで解説した一冊。
ずっしりと重いヴォリュームながら、
カラー図版が豊富で読みやすい。
図書館から借入。 2024/3/2刊。
ワシは決してガンマニアではないし、
むしろ疎いくらいである。
ただし、アクション映画などを観るにつけ、
銃全般の知識があったら、
映画をもっと興味深く観れるだろうと思ってきたものだ。
まあそれを言ったら、
広い教養を身につけることがベストなのだが…
そして、
表紙をめくってカバー裏の惹句を読んで一抹の不安が…
国の命運がかかり、
技術者たちが脳しょうを絞り、
心血を注いで開発された銃が、
魅力的でないはずがないのです。
著者の銃好きが極限を超えて、
フェチシズム、
いや宗教のレベルにまで達しているのでは?
そんな著者の陶酔した世界が繰り広げられたらたまったものじゃないぜ!
内容は決してそう言うものでなく、
十分に科学的に分析された冷静なものだった。
著者の肩書は、
元・陸上自衛隊武器補給処技術課研究班。
ああ、自衛隊と聞いて安心した。
酔狂な素人のガンマニアではなかった。
内容は、素人にも為になるしっかりとしたものだった。
一つ一つのテーマを見開き2ページずつにまとめて見やすい。
拳銃にしても、リボルバーとオートマチックの利点欠点を分かりやすく解説。
また、シングルアクションとダブルアクションの構造や、
機関銃の意味も初めて知った。
『セーラー服と機関銃』で薬師丸ひろこ(他)が撃ったのは、
正確には機関銃ではない。
それから、銃で打ち出された弾丸は回転してるのですねえ。
回転させないとどうなるのかも解説。
照準器や弾道の解説も詳しい。
正確には直進しない弾道だが、
ハイテクな照準器は、
その距離による弾道や風向までも分析するらしい。
最後の章では、「名銃を評論する」と言って、
映画やゲームに登場する「名銃」を15機紹介。
拳銃だけでも10機。
そのチョイスが妥当なのかどうなのかは分からない。
型番まで名前を知っていたのは、
恥ずかしながら「ワルサーP38」だけだった。
『ルパンIII世』様様である。
と言っても、写真見て「あワルサーP38だ!」とはならない。
本書の歯痒いところは、
そんな名銃を評論する章においても、
その性能を解説するのをメインにするあまり、
素人にも分かりやすいビジュアルの解説がお座なりになっている点である。
銃の写真も、全貌を捉えたのもがほとんどなく、
隊員が銃を手にした姿や、
銃の一部が映った写真しかないのである。
それは本書に期待する内容ではないのだろう。
それなら、銃好きなちびっ子向けの、
「君もワクワク!銃大図鑑」
と言ったような本を探すべき。
ワシも、そう言ったレベルということで(笑)