スカパーで録画鑑賞。
ビデオ『渇水』
2023年高橋正弥監督作品。生田斗真主演、門脇麦、磯村勇斗出演。
水道料金を滞納している家庭の水道を停止する（それだけではないだろうが）業務を請け負う、
水道局員を主人公とした人間ドラマ。
水道局員の岩切（生田）はその様な業務を粛々とこなしている中、
夫と音信不通になって2人の娘を抱える実質的シングルマザー有希（門脇）の家庭と出会う。
同僚後輩の木田（磯村）と水道停止の措置を行うのだが、不憫な2人の娘のことが気になる。
水道職員としての業務とヒューマニズムの間に悩む岩切。
一方の有希は男にだらしない母親であり、
岩切は叱責するのだが自分自身の家庭にも問題を抱えていた。
まずは、水道局員の方々のご苦労に感謝するしかない。
なるほど、そんな困難な業務だったのですね。
それ以外は、別にどうでもいいかな（苦笑）。
まあ、だいたいは想定内の展開。
主人公を演じた生田の、
あくまでも無機質な演技（西島秀俊かよ！）に貫いた上での、
終盤にかけるストレスの爆発は分かる。
自分の家庭にも問題を抱えていたしな。
あまり楽しい話ではないし、
終盤の展開は悲惨でしかない。
最近鑑賞した『あんのこと』と共通する要素である。
ただ、出来栄えにはかなり差があったと思う。
あれだけ悲惨なラストながらも、
決して後味が悪くなかった『あんのこと』は絶賛したい。
ただし本作における、
ラストに描かれた岩切の家庭のかすかな光明はどこか取ってつけた感じも。
また、母親の有希のその後が一切描かれない（これも演出か？）のもいかがなものか。
2人の娘は、
冒頭で水のないプールで泳ぎ、
ラストで水のあるプールで泳ぐ。
メタファーに満ちた演出なのだが、
いずれも違法行為を伴う行動だったのが気になった。
他にも、違法行為が度々見られた作品。
同情の余地があるとはいえ、
ダメなもんはダメでしょ！