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ビデオ『テオレマ』
1968年ピエル・パオロ・パゾリーニ監督作品。
テレンス・スタンプ主演、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー出演。
家族4人(夫、妻、息子、娘)と家政婦とで暮らすブルジョワ家庭に、
謎の青年(スタンプ)がよく分からないままに同居をする。
家族たちは青年に魅力を感じていき、
次々と肉体関係を結ぶ。
やがて青年は去ってしまい、
残された家族たちは崩壊していき…
ぶっちゃけて言って、
難解な欧州芸術映画。
予想通り、よく分からなかった。
早送りの術を駆使して、
最後までたどり着く。
ヌーベルバーグの諸作品とか、
この手の芸術映画はお勉強としてそれなりに観てきた。
よく分からないのはお約束ながら、
特に本作は分からないなりの魅力も特に感じなかった。
演出が、これぞ見よがしの外連味を感じさせるものでも無かった。
淡々としているのである。
またこの手の芸術映画にありがちな、
エロティックなシーンも少なめ。
次々と肉体関係を結ぶ展開ながら、
テレンス・スタンプの男性器と、
娘役のアンヌ・ヴィアゼムスキーの乳首がごく短時間映るのみ。
ちなみにアンヌ・ヴィアゼムスキーって、
撮影当時ゴダールの妻であり、
20〜21歳だったのである。
ゴダールも、次々と女優を取っ替え引っ替えして付き合っていたのですね。
映画に戻ると、
スタンプが去った後の家族は実に悲惨。
自死を含めた死に至ったり、
近親相姦に走ったり、
社会的抹殺に至ったり。
ラストは、広大な原野を全裸で彷徨う夫。
何だか、若松孝二の作品を思い出してしまったぞ。
宗教へのパロディだということだけは何となく分かる作品だった。
ちなみに音楽は名匠エンニオ・モリコーネ。
流石に印象を残る音楽を残す。
一方でモーツアルトの曲も使用。
去年モリコーネのドキュメンタリー映画を鑑賞したのだが、
同一作品で他の音楽家との共作を認めない方針だと言っていた。
モーツアルトならOKなんですかね?