スカパーで録画鑑賞。
ビデオ『絶頂逃避行 人妻がイク！』
2021年山内大輔監督作品。
加藤ツバキ主演、あけみみう、石川雄也、安藤ヒロキオ、橘聖人、森羅万象出演。
別タイトルに『淫靡な女たち イキたいとこでイク!』『人妻淫靡行』があり。
夫（安藤）のモラハラに悩む妻の弥生（加藤）は、
ふとしたことから瞬間移動する能力を身につける。
それは自分の意思とは関係なく移動してしまうものだった。
それらの移動先は身に覚えのないものだったが、
そこには深い関係があり…
冒頭の夫からのモラハラシーンは、
加藤拓也監督（『わたし達はおとな』『ほつれる』）作品を連想してしまったが、
突然弥生が瞬間移動してしまうシーンはコミカルな演出があったものの、
思わず失笑。
安易なSFコメディのピンク映画か？
と思ってしまった。
その移動先が、実にとりとめない。
最初は売れな中年小説家・藤森（石川）の粗末な部屋。
そしてラブホテルの一室で、そこにはデリヘル嬢の彩菜（あけみ）がやってくる。
さらに家を出る決心をした弥生は、
不動産会社の職員幹夫（橘）の案内で物件を見て回るが決められない。
業績の上がらぬ幹夫は行きつけの定食屋でやけ酒を飲む。
幹夫のお目当ては、大将（森羅）の娘・すみれだった。
すみれに交際を申し込む幹夫だったが、
すみれは「彼氏がいる」と言って断る。
しかしすみれは、実はデリヘル嬢の彩菜だった…
他にも様々なエピソードが取り止めもなく描かれていく。
基本的にはコメディであり、
もちろんエッチなシーンも楽しめる。
しかし小説家の藤森が実は〇〇だったりとか、
それらのエピソードが、
全て有機的に絡んでくる。
その展開が実に見事である。
また、夫婦の離別や、親子の断絶と言ったシリアスなテーマも含む。
弥生の移動先には、
何度も同じ海岸が登場するのだが、
一見イメージショットのようなシーンながらも、
そこには深いわけがあったのである。
本作の主人公は当然瞬間移動する主婦の弥生であるが、
すみれ（彩菜）と幹夫との恋愛シーンも大きな要素となっていた。
すみれの言う「彼氏がいる」と言うのは、
「デリヘルで働いている」と言うことを意味しているのである。
そんなすみれに、その後幹夫は改めて交際を申し込む。
すると「彼氏と別れた」と言って、申込みを受け入れる。
つまり「デリヘルをやめた」と言う意味を含んでいるのである。
なかなかシャレた演出だと思った。
またラストでは、
例の海岸を舞台に主要な登場人物４人が一堂に会す。
ちょっといい話で終わると思いきや、
見事に粋な笑いを誘う。
主演の加藤ツバキは初めて見る女優で、
アラフォーの「ベテラン女優」らしいのだが、
年相応の可愛らしい女優だと思った。
そして準主役の、すみれ（彩菜）役のあけみみう。
最近の高評価のピンク映画の出演者の名前でよく目にしていたのだが、
作品を観るのは初めて。
いいですね、気に入りました！
戸田真琴と寺嶋由芙を合わせた感じ（え？分かりにくい？）で、
要チェック！