スカパーで録画鑑賞。

 

ビデオ『青い真珠』

1951年本多猪四郎監督作品。池部良、島崎雪子主演、浜田百合子、志村喬出演。

もちろんモノクロ。

 

 

女性たちが風習的に海女として活躍している海辺の村に、

灯台守兼小学校の教師としてイケメン青年(池部)が赴任してくる。

村の清純美形の娘(島崎)といい関係になりそうなところ、

東京帰りのアバズレ娘(浜田)から横槍を入れられ…

 

まあ、ストーリーは置いといて、

あのゴジラ(第1作1954年)の監督である本多猪四郎の、

監督デビュー作である。

もちろん、ゴジラは出てこない(笑)。

 

さっさと書いておきますが、

端的に言ってしょうもない作品

 

ただ、あの本多監督の原点ということでどうしても気になる作品である。

 

内容は上記のストーリーのように、

実にありがちな作品。

善玉悪玉の関係も、

あまりにも素朴で分かりやすい。

 

ただ、舞台が海辺の村。

いかにもゴジラが登場しそうな…

いやいや、それは先入観というもの。

 

 

しかし、実はそれだけではないのである。

本作のロケ地は伊勢の海岸なのだが、

その3年後に製作された『ゴジラ』と同じ地域でロケが敢行されたらしい。

 

内容には共通点がないながら、同じ監督。

そして同じロケ地で撮影されたとは!

 

もう1点知識として入れておきたいのが、

本作が劇場映画デビュー作である本多猪四郎監督であるが、

ドキュメンタリー映画のキャリアがあり、

すでに水中撮影の技術に秀でていたのである。

 

それにより、本作で重要な要素となる海女の水中撮影が可能となったわけだ。

 

海女の水中撮影といえば、

本作の数年後にエログロ路線に突き進む新東宝の作品群を思い出される。

本作では想定もしていなかったエロ要素を、

意識しているかどうかは分からないが、

新東宝の連中が引き継いだとすれば興味深い。

 

本作での海女さんの衣装はエロ要素を排除するが如く結構ガッチリとした衣装であった。

ただその3年後の『ゴジラ』でエキストラ的に登場するリアルな海女さんって、

おっぱい丸出しだった記憶が…

重要なポイントである。

 

いずれにせよ、人間ドラマとしては批評に値しない作品。

それでもキャストはそこそこ豪華

 

それにしても志村喬

ここで登場かよ。

映画会社のシステムが絶対だった時代の名残なんでしょうな。

 

ゴジラファンと、

海女さん好きと、

志村喬マニアだけには必見の作品。