TOHOシネマ(轟音)にて鑑賞。
『ゴールデンカムイ』
久保茂昭監督作品。山﨑賢人、山田杏奈主演。
眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、矢本悠馬、玉木宏、舘ひろし出演。
明治末期のアイヌ部落を舞台とした、
隠された金塊をめぐる争奪戦を描いた娯楽アクション。
原作は野田サトルのコミックであり、
ちょっとだけ読んだことあり。
予告編では何度か目にしていた作品だったが、
監督も知らない人だし人気の原作に乗じた安易な映画化作品だと思ってスルー予定だったのだが…
鑑賞した知人からの評判も良く、
この度鑑賞。
確かに、面白い!
娯楽アクションとして文句なしの出来栄え。
さらには北海道の地元民(特に小樽出身)者としては、
本物の北海道を舞台とした作品としても見応えがあった。
特に小樽を舞台としたシーンが多かったのだが、
ロケとセットを巧みに繋いだ映像は称賛したい。
そして原作でもそうだったのだが、
ストーリーテリングやアクションシーンとは別に、
アイヌの風習をテロップ入りで丁寧に解説する。
これも、アイヌ文化へのオマージュを感じさせて非常に良かった。
そして、俳優たちの快演や怪演も見事。
主役の山﨑賢人もデビュー当時は単にイケメンだけの絶望的な大根役者だったが、
見事に成長したものだ。
そして何と言っても本作の見どころは、
もう一人の主役であるアイヌ娘アシリパを演じた山田杏奈。
『ひらいて』(2021)で注目した彼女だったが、
本作は最大の当たり役ではないだろうか?
勝気で利発で思いやりのあるアイヌ娘を見事に演じる。
しかもそのビジュアルが、
原作マンガのイメージそのままで、
山田杏奈史上最もキュートだと思う。
他にもマンガチックになりすぎない(マンガ原作だが)過激な怪演を見せる俳優たちが多数出演。
登場するたびに役名がテロップで示されるのは良いのだが、
できたら役者名も示して欲しかった(無理か)。
ただ最大の欠点は、
本作でストーリーが完結しないこと。
原作が大長編だから仕方ないともいえる。
最近は「前編」「後編」と分けて上映する作品が増えてきた。
本作はそれどころではない。
まるで連続ドラマの1回目と言っていいほど、
ストーリーは始まったばかり。
一体何作作るつもりだろう。
どんな長編だろうと、
大胆に省略して1本の作品として仕上げるのが腕の見せ所だと思うのだが。
例えば本作では、
高畑充希の出演する過去シーンなどバッサリ切って良かったんじゃないか?
ともあれ、実に楽しんだ娯楽作品と言うことで、
8点。