BSで録画鑑賞。

 

ビデオ『日本沈没』

1973年森谷司郎監督作品。橋本忍脚本。 小松左京原作。

藤岡弘、いしだあゆみ、小林桂樹、二谷英明、丹波哲郎出演。

 

大規模な地殻変動による日本列島が沈没する様子を描いた、

日本を代表するSFパニックデザスター映画

 

 

当時は、パニック映画のブームであり、

「ノストラダムスの大予言」(これも映画にもなった)悲観的な終末論もブームだった。

 

そんな時期にSF小説の巨匠が書いた『日本沈没』の映画化作品である。

これだけ有名な作品ながらも未見だった。

そして調べたら、

小説『日本沈没』が刊行されたのが何と1973年。

映画の制作と同年だったのである!

 

そんな作品であるが、

1 科学的考察を重ねたパート

2 日本沈没に向かう大災害を描いたパート

3 そんな日本に対する政治的配慮を描いたパート

以上がほぼ同等に描かれる。

1はいささか退屈であったが、

2はCGもなかったほぼ50年前の作品ということもあり多少チャチな部分もあったが、

なかなかの迫力

ここがやはり、本作のメインパートであろう。

パニック映画のブームの頃でもあった。

3は意外にも見どころのあるパートだった。

日本沈没に対して、日本国民を可及的に海外に移住させる方針を立てる。

諸外国との駆け引きなどがリアルに描かれ、

実際にパレスチナ難民の問題も取り上げるなど、

妙にタイムリーであった。

しかし最も見応えのあったのが、

丹波哲郎演じる総理大臣の侠気だろう。

今の岸田総理に務まるか?

 

そんな作品を観て思い出したのが、『ゴジラ』。

まさに、ゴジラの出ないゴジラと言っても良い

特に政治的駆け引きのパートで連想したのが『シン・ゴジラ』だった。

 

そのような大きなパートと並行して描かれたのが、

主役の一人である藤岡弘といしだあゆみとの恋愛劇

権力者の娘という設定のいしだあゆみだが、

もう少し清楚な役柄で登場と思いきや、

会ったその日からセクシーな水着姿で「抱いて」という、

やけにヴァンプなキャラ(笑)。

それでいて、終盤には二人は離れ離れになり、

もどかしくも切ない展開に。

しかし、登場シーンがあれじゃあ、

切ない気持ちにもなれないのだった。

 

そしてラスト。

ええ?ここで終わるのか?

 

そのラストは意外だった。

ネタバレにつき書かないようにしよう。

ハリウッド映画だったら、こうはならないエンデイングだった。