和田秀樹、世界のマーチャンに会いに行く

 

若宮 正子 , 和田 秀樹(著)

 

小学館

 

 

図書館から借入。2023/10/27刊行。

 

高齢者専門の精神科医として多くの著作を持つ和田秀樹が、

マーチャンこと若宮正子と対談した内容を描いた一冊。

 

著作は読んだことはないのだが、

和田氏は高齢者のアクティブな生き方を提唱している方のようである。

 

一方、本書のタイトル。

「世界のマーチャン」って誰?って感じで借りてしまったのだが。

若宮正子氏は1935年生まれで、

58歳からパソコンを独学で習得して、

82歳でスマホアプリを開発して「世界最高齢プログラマー」と呼ばれる方らしい。

 

高齢者はデジタルは苦手、

と言う一般的概念に反して、

高齢者こそデジタルに親しむべしと言う内容になっている。

 

高齢者は我慢して遠慮して暮らすのではなく、

やりたいことを要求することが大切

デジタルこそが有効な

ツールというわけだ。

 

もともと和田氏が高齢者に関して提唱してきたことを、

高齢者の中でもデジタル分野で成功した「マーチャン」と言う人物をモデルケースとすることで、

その分野から自説を強化した内容となっている。

 

とは言え、

「高齢者はデジタルは苦手」と言う面は否定できないと思う

誰もがマーチャンのような生き方をそのまま選ぶ必要はない。

 

本書の一部を引用すると、

ある試験問題に対して「公式を覚えろ」ではなく、

「どうやったら楽して解けるか」を考えさせた方が良い。

 

デジタルツールは、あくまでもその手段であり、

高齢者にとっても有用なものである。

 

そして最終章は対談から離れて、

マーチャンによる高齢者に対するデジタル活用術と、

注意点を列挙した内容となる。

 

本書の通りうまくいくと、

デジタルによる高齢者の明るい未来が開けそうであるが、

それは高齢者が個人で行うことではなく、

高齢者もデジタルの恩恵を受けやすい社会にするべく、

政府が行うことが重要なのだと思った