スカパーで録画鑑賞。
ビデオ『土を喰らう十二ヶ月』
2022年中江裕司監督作品。沢田研二主演、松たか子、火野正平、西田尚美、尾美としのり、奈良岡朋子出演。
信州の田舎で一人自給自足のような生活を送っている老齢の作家のツトム(沢田)。
そこには時々、恋人でもある担当編集者の真知子(松)がやってくる。
そんなつとむの日常を四季を通じて描いていく。
周囲の自然や自ら栽培した野菜を収穫して調理する日々。
この世界で思い出したのは、
『モリのいる場所』や『人生フルーツ』(こちらはドキュメンタリー)。
いずれも、高齢の主人公のオーガニックな生活を描いた作品である。
いやいや、それよりも近いのは『リトルフォレスト』。
まさに山の中で細々と調理をする姿をドキュメンタリータッチで描いて、
かなり似ている作品だ。
ただそちらの主演は橋本愛と、若い女性である点である。
主役の沢田研二の好演も含めてなかなか高評価の作品であるが、
既視感が…
またこのパターンですか?
田舎暮らし礼讃!
はっきりって、ウザい作品。
本職が俳優ではない沢田研二は良いとして、
松たか子って、あんなに芝居が下手だっけ?
二人は歳の離れた恋人という設定。
作家と編集者が恋愛関係にあっても、
それ自体は問題ない。
しかし、松たか子はたまにやってきては、
沢田研二の作る料理をつまんでは「美味しい♡」と叫ぶばかり。
「原稿はできましたか?」
「まあ、これでも食べて」
そんなホンワカした会話の繰り返し。
おいおい、松たか子。
編集者の仕事をしろよ!
締め切りの守らない作家。
よくある描写である。
もう、うんざりである。
食材を採っては調理する。
そんな場面が繰り返される。
正直言って大して美味そうでもない。
精進料理とのことで、野菜ばかりだ。
肉、食いたいな。
そうような作業場面に関しては、
『リトルフォレスト』の方がはるかに良かった。
若い女性だから良かったわけではないぞ。
途中、奈良岡朋子演じる義母が亡くなる。
この義母が住んでいる小屋もあざといばかりの粗末なもの。
葬儀のために、義弟夫婦(尾美、西田)が都会からやってくるのだが、
この夫婦が絵に書いたような自分勝手な嫌味な女と、
尻に敷かれる小心者の夫。
またそのパターンですか?
この夫婦が事もあろうに、
葬儀一式を沢田研二に押し付ける。
黙々と引き受ける沢田。
その後が噴飯物。
葬儀に使う棺桶と祭壇を、
通夜のその日に、
友人の大工(火野)に作らせるのである。
また参列者に振る舞う料理も沢田が担当。
しかも、松たか子が手伝う。
まるでおままごと。
葬式だぞ。
一方で、弟夫婦は一切手伝わない。
作る料理も、またうざいんだよなあ。
自作の胡麻を皮剥きから始めて天日で干して、
胡麻豆腐を作る。
いやいや、丁寧な仕事っぷりは良いのだが、
どう見ても間に合わないだろ!
おまけに沢田はお経まで上げる始末。
とまあ、やってることはかなり頓珍漢。
それにしてもなぜこの二人は、
こんなに歳が離れていても恋人なのか?
最後はちゃんと結婚するか、
沢田が死ぬかで終わると思ったのだが、
どちらでもない。
ところが、どっちでもない。
予想を裏切る鮮やかな展開、
と言いたいところだが…
嫌だぜ、あんな女!
松たか子、一体何しに来たんでしょうか?
後もう一つ文句を。
音楽がやかましい。
合ってない。
音楽担当が誰か知らないで鑑賞したのだけど、
大友良英だったのか。
とにかく、この映画には合わなかった。