TOHOシネマズ轟音シアター、ワイドコンフォートシートで鑑賞。
『ゴジラ-1.0/C』
山崎貴監督作品。
神木隆之介主演、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介出演。
何かと評判だった『ゴジラ-1.0』も、鑑賞するかどうかずっと迷いつつ年を越してしまった。
そんなある日、届いた知らせ。
『ゴジラ-1.0』のモノクロバージョン『ゴジラ-1.0/C』が公開されると言うのである。
なんだか、急に興味が湧いてきた。
また上映館を探すと、
TOHOシネマズでは轟音シアターでの上映、
しかもワイドコンフォートシートの座席もあると言う。
ゴジラマニアの居酒屋くっちゃんのママも大絶賛していたこの作品。
よし、観に行こう!
これが…大傑作!
スペクタクルはもちろんのこと、
ストーリーやテーマも見事。
その辺は既に巷で評価されているだろうから、さっと流して行こう。
ざっくり言うと、
神木演じるヘタレな特攻隊員の、
戦後におけるゴジラ退治を通じた成長物語である。
そこに恋愛未満の関係で連子と同居する浜辺演じる女性と、
家庭を築くに至る展開をからめる。
ゴジラが大暴れをしなくても、
それだけでも見事な人間ドラマだった。
それにしても、
モノクロで観て正解だった。
まずは終戦前後という時代を描いた作品だったこと。
モノクロの映像により、
その時代性がリアルに描かれる。
また『ALWAYS』シリーズをはじめとした高度なVFX技術を得意とした山崎監督作品。
しかし、カラーだと映像にどこか作為を感じてしまうことが少なくない。
それに対してモノクロの映像だと、
そのようなVFXの作為をあまり感じなかったのだ。
もちろん、以上のことはカラー版を見て比較しないと言えないことなのだが、
比較云々ではなくこのモノクロ版の絶対的完成度は自信を持って評価できる。
従って、カラー版の方がより良いという可能性は否定しない。
本作を鑑賞してついつい連想した作品は過去のゴジラ映画ではなく『永遠の0』だった。
単純に「特攻隊の話」という共通点があったためかも知れない。
ただ、その思想性の深さにおいて雲泥の差がある。
見事だった『ゴジラ-1.0』。
同じ特攻隊を描いても、こんなに差があるものなのだろうか。
ただ、後から気づいたのだが、両作品は同じ山崎監督だったんですね。
同じ監督でも、出来不出来はあるもので。
それから、銀座でゴジラに列車を捉えられて浜辺美波が底が抜けた列車に吊されたシーン。
これは『ミッション インポッシブル/デッドレコニング』のシーンにそっくりではないか!
浜辺美波はトム・クルーズ並みに自らスタントをこなしたのか?(冗談です)
さらに連想したのが、テーマ曲。
あの「ゴジラのテーマ」、いつ流れるかと期待しながら鑑賞。
おおお、ここで来たか!
『ミッション インポッシブル』シリーズでも、テーマ曲がここぞという時に流れるのである。
そんなテーマ曲の共通点。さて何でしょう。
「ミッション インポッシブルのテーマ」は5拍子。
「ゴジラのテーマ」は9拍子。
ともに、聴く者に緊張感を与える変拍子なのである。
結果的にモノクロ版を待って良かった!
9点。