ビートルズの革命 完全版
NHK総合『映像の世紀バタフライエフェクト』
12/30に放送し録画鑑賞した73分の番組。
いまらさビートルズかよ、
と思いつつ鑑賞したのだが、
とてつもない濃密な情報量の作品。
さすがNHK!
今後も受信料、払いますよ!
断っておくが、
自分としてはこの年代のロックファンの割には、
それほどビートルズには思い入れはない。
そう言うこともあって、
多少冷めた目でこの番組を鑑賞。
基本的には、
初心者にも分かりやすいビートルズのアンソロジーを、
過不足なく描く。
今更ながら感じいったビートルズに関することがこの2点。
1 メンバーは労働者階級だった
2 当時では画期的なシンガーソングライターだった
イギリスは言うまでもなくとんでもないほどの階級社会である。
日本も階級社会化が問題視されているがレベルが違う。
ビートルズがそんなイギリスにおいて労働者階級出身であることは存じていた。
一方で、その音楽は米国の黒人音楽に多大な影響を受けている。
言うまでもなく、黒人は被差別的待遇を受けている。
その状況を、この番組では的確に捉えていた。
もちろん音楽的な評価も、十分に描かれる。
当時はあまりにも商業的に成功し過ぎて冷静に評価されなかった音楽的な業績を、
ここに来て改めて分析されるのである。
社会的にも音楽的にも、
十分に満足できる番組だった。
話はずれるのだが、
そのようなイギリスの階級社会は、
ビートルズの成功もあったあとの半世紀を過ぎても改善されるどころか、
むしろ強化されているらしい。
才能や努力があれば成功できる社会。
今では逆行されているのだと言う。
日本も同じ道を辿っている。
「階級」と言う言葉は無縁と思われる日本にも「階級」が出現している。
貧富の差以上の深刻な問題である。
例えば、今活躍している芸能人(特にお笑い芸人)やミュージシャン。
その学歴を見ると歴然である。
学歴=階級ではないのだが、
かつては低所得層でも努力次第で高偏差値の大学に入学することが可能だったが、
今では相当困難な状況になっていると思われる。
そんなことまで、
あらためて思わせる番組だった。
まさに「バタフライエフェクト」。