すごい古書店 変な図書館
井上理津子 (著)
祥伝社新書
図書館から借入。2017/9/1 刊。
主に東京都内の85の古書店と、
32のユニークな図書館をレポートした一冊。
1カ所につき2ページ、
写真やイラストはなし、
と言うコンパクトな新書である。
85の古書店は分かるとして、
公立の総合図書館は対象外で32の図書館とは随分とあるものだ。
「美しい本屋さん」的な本をよく見かけるが、
だいたいは古書店であり、
カフェが併設していて、
きれいな写真が添えられているのが大半である。
一方本書は、
コンパクトな文章だけで、
著者の訪れた様子をリアルに描く。
住所や営業時間、休日、
図書館なら入場料と言った必要最小限の情報も記載されている。
古書店はそれなりの規模のものもあるが、
個人経営の小さな店がほとんど。
また、品揃えも様々だ。
よくもこれで経営していけるものだ、
と思う店も多数。
古書店の分布は都内さまざまだが、
神保町が圧倒的に多いのがさすがである。
図書館のパートでは、
公立、民間の双方が紹介されており、
民間でも企業が運営しているものもある。
従って、公立や企業運営のものは主に無料、
民間のものは有料のところが多い。
また残念ながら、
日曜祝日が休みのところが意外と多い。
何とかならないものか。
それでは紹介された117店のごく一部を紹介。
まずは、この中で訪れたことのある店は残念ながらなかった。
ただし「東京国立近代美術館フィルムセンター図書室」は、
併設されている映画館に訪れたことがあったのだが、
日曜日だったので展示室が休館だった。
本当に何とかして欲しい。
気になる店は多数あり紹介しきれないのだが、
例えば「立川まんがぱーく」。
マンガ本が4万冊で入館料が400円。
それだけなら見過ごそうだが、
「漫画喫茶より安いと好評です」って、なるほど!
入館料が一番高いのが、飯田橋の「風俗資料館」。
会員制ながら、ビジターも入館できて料金が5500円!
ちょっとしたテーマパーク並みである。
古書店の中で徘徊中年的に興味を持ったのが、
梶原書店。
何と、都電荒川線梶原停留所のホームに店があると言うのである。
駅なら分かるが、停留所に?
気になる方は、こちらをどうぞ。
あああ、閉店してしまったのか。残念。
ともあれ、東京近辺の方なら購入して、
古書店や図書館巡りの参考にして欲しい一冊である。