KOIZUMI IN THE HOUSE

 

小泉今日子

 

 

80年代のトップアイドルの一角を担いつつも、

当時のカルチャーとコラボしていた、

「とんがっていた」存在だった小泉今日子

 

そんなキョンキョンの、

そんなとんがっていた瞬間をリアルに刻印した、

歴史的傑作

 

リリース時は当然アナログのLPだったのだが、

お恥ずかしながらLPは購入せず、

レンタルレコードでカセットにダビングして、

結構ヘヴィロテーションしたものだった。

 

とんがっていたとは言え、

メジャーなフィールドのアイドルのキョンキョン。

そんな彼女に、

当時の最先端のハウスミュージックをブチ込んだのである。

仕掛人は、近田春夫

 

そう言った作品はあざとい作為を感じさせてイマイチだったりするのだが、

本作はガチで素晴らしかった。

 

しかし、そのような「とんがった」作品ほど、

時が経つに連れて色あせる…

いやいや、聴くのもい恥ずかしい存在になりがちである。

 

そんなこの作品。

Spotifyで、ひょんなきっかけで聴いてみた。

コンテンツはこちら。

 

オリジナル盤[編集]

  1. Fade Out
  2. 好奇心 7000
  3. STAND UP
  4. マイクロWAVE
  5. CDJ
  6. Kyon Kyonはフツー
  7. 集中できない
  8. 音楽
  9. 男の子はみんな
  10. 水のルージュ(Break' ACID' Beats MIX)

 

うわー、素晴らしい。

こう言った、その時代の最先端の作品って、

今聴いたらダサかったりするのだけど、

今でもめっちゃかっこいい!

 

実はしばらく聴いてこなかったと言いつつ、

お恥ずかしながら、

M1はたまにカラオケで歌い玉砕した笑える記憶もある。

 

ただ、時間を置いて聴くと、

新たな発見もあるものだ。

大半がプロデュース近田春夫作の中、

M5とM9は小西康陽の作品。

 

あのNegiccoの「アイドルばかり聴かないで」を作った、

大恩人とも言えるミュージシャンである。

思えばこの『KOIZUMI IN THE HOUSE』を聴いた頃には、

Negicco自体存在していなかったのである。

しかし今本作を聴いてみると、

Negiccoの萌芽が聞き取れて、

居ても立ってもいられなくなった。

 

小西氏の女性アイドルの基本的フォーマットを作品化したM9はさておき、

問題はM4

 

クラブ仕様の本作ならではの、

現場でのDJのリアルな姿を描いた作品。

 

特に、歌詞に注目したい。

歌詞をコピペするのは一応自粛します。

 

まずは、内容が「クラブでDJやってる彼氏の大切なレコードを、彼女(主人公)が割っちゃった」。

これって、Negiccoの小西康陽によるブレイク作品「アイドルばかり聴かないで」で、

普通の人はCDなんか買わなくなった」という歌詞と、

深くリンクしている

 

また繰り返すクラブサウンドに乗せる「かけておくれよCDJ

つないでおくれよCDJ」と言ったフレーズ。

これは、まさにNegiccoのサウンドプロデューサーのconnieの基本的世界観そのではないか!

 

Negiccoのメンバーたちが生まれた時期の作品。

そんな作品を今聴いても色あせなかったばかりか、

Negiccoとの関連性をも気づいた。

記憶していた以上に、

意味の深い傑作だと確信した作品だった。