きみに贈る本

 

中村 文則、佐川 光晴、山崎 ナオコーラ、窪 美澄、朝井 リョウ、円城 塔(著)

 

中央公論新社

 

 

これは素晴らしい本だった。

図書館から借入。2016.5刊。

 

現役感あふれる6人の作家による読書案内

単なる書評を超えて、

本との対峙の根源が浮かび上がってくる

 

各作家がそれぞれ10冊の本を取り上げる。

1冊目は自己紹介を兼ねて自分の本を紹介する。

それぞれの本は簡単な解説を含めて、

3ページが当てられ、

実に簡潔で適切に紹介される。

 

細かいことまで解説するとキリがなくなりそうなほどに、

内容が充実。

紹介された全60冊のほとんどが小説であり、

古典的とも言える「名作」が大半を占めるのも、

本書の特徴かもしれない。

つまり、選書に気を衒ってないのだ。

 

全体の傾向として特に感銘を受けたのが、

取り上げた本が「このような本である」と言うより、

「このように読め」と言うことに力を入れている点である。

 

一度読んでつまらないと思っても、

年月を経て読むと評価が変わることもある

その時の自分が理解できていないのかも知れない。

名作と言われる作品を読んで批判した場合、

のちに恥を晒すことになるかも知れない…

 

この本を読んで、

今まで読んでこなかったハードルの高そうな名作を読んでみたい気にもなった。

そして、若い頃にこの本に出会っていたら、

もっと有意義な読書生活を送ってきたことだろう。

 

例としてガルシア=マルケスの『百年の孤独』も中村文則によって紹介されている。

それって…かつて数ページで玉砕した記憶が(苦笑)。

年月を経て再読すると、すらすら読めるかも知れないが、

読めなかった場合の落胆が嫌なんでやめておこうかな

 

とりあえず、朝井リョウ紹介の『ひとりずもう』(さくらももこ)あたりから読んでみようか。

 

 

 

追記 8.26

素晴らしい本なので、買いました!