スカパーで録画鑑賞。

 

ビデオ『レンタル女子大生 私、貸します。』 

2017年竹洞哲也監督作品。彩城ゆりな、櫻井拓也主演。

 

 

バイトで「自分レンタル」を始めた女子大生・有希(彩城)。

有希の男友達・輝雄(櫻井)は就職活動に失敗して引きこもっている

輝雄を心配した有希は、お節介ながらも輝雄を外に引き出そうとし、

輝雄にも「自分レンタル」をさせる。

そんな「自分レンタル」を通して、

部下が自殺して追い詰められている中年男や、

彼氏との仲が暗礁に乗り上げて「お一人様ウエディング」をしている女性などの、

悩みに関わっていく。

 

 

基本的にはピンク映画なのだが、

実に良い話だった

 

ストーリーは、基本的に有希のモノローグで描かれる

その手法は、最近鑑賞した同じ竹洞哲也監督作品『不貞一家と弔問の夜』(森羅万象主演)と共通する。

そして本作のモノローグは、

飲み系YouTuberのように、

有希がビール片手でカメラに向かって語られる

ちなみに撮影場所は馬力高円寺店と思われる。

 

 

やはり、ここでも櫻井拓也が実に良い味を出している。

就職もうまくできずにネガティブ志向になっている、

脱力系の融通の効かない真面目男。

それでいて、どこかとぼけて憎めない。

ちょっと思い出したのが、吉田修一の大傑作小説『横道世之介』

 

ヒロイン演じる彩城ゆりなは知らない女優だったが、

ちょっと舌っ足らずで明るいキャラをキュートに演じてなかなか良かった。

 

そんな二人の「自分レンタル」業を通して、

周囲を変えていくストーリーなのだが、

それと並行してメインの二人のラブストーリーが、

これまた楽しい。

 

 

そんないじけた輝雄に対して、

いつしか有希は恋心を抱くようになる。

そんな彼女の気持ちも分からない、

輝雄の鈍感さはお約束

 

ピンク映画だけに、それなりのエッチなシーンはある。

有希と輝雄のシーンもあるのだが、

それはあくまでも有希の妄想。

実際に体を交わしていないのが切なくもある

 

エピソードによっては結構シリアスなのだが、

演出は完全にコメディタッチ。

登場人物の会話はボケとツッコミのパターンを繰り返し

コントというより、ほぼ漫才の世界である。

そのコメディセンスはなかなかのものだと思った。

 

それにしても、竹洞監督・櫻井拓也出演作品はかなり鑑賞している。

その中でも最上位の作品だと思った。

 

また、この手のピンク映画によくあるパターンとして、

編集違いの別タイトル作品もある。

これも、同じ作品。

 

 

『サイコウノバカヤロウ』って、良いタイトルだなあ

それって、櫻井演じる輝雄の事だろう

 

で、そのタイトルを聞くまで気が付かなかったのだが、

本作の3年後に制作された続編『幼なじみ 発情てんこ盛り』を、

実は鑑賞していた。

別タイトルが『サイコウノバカヤロウ2〜青森純情編』。

 

https://ameblo.jp/unfilmde/entry-12691671758.html

 

いやあ、『サイコウノバカヤロウ3』が観たい!

でも櫻井拓哉は、

もうこの世にはいないのである(合掌)。