10点映画シリーズ、あと3本だぁ!

『XYZマーダーズ』
1985年サム・ライミ監督作品。
いまや『スパイダーマン』シリーズで超リッチになっちゃった監督のデビュー第2作。
1作目は、スプラッターホラーの金字塔『死霊のはらわた』。
当時23歳のライミ監督は、あまりにも手垢にまみれたプロットを逆手にとって、
斬新な演出と映像で、新感覚なホラーを作り出した。
そんな監督の第2作である本作品。
タイトルも、マーダーズ=殺人者。
ワシの勘違いだったのかも知れないけど、公開前のうたい文句としては、
あの監督のホラー第2弾!
そんな感じで売り出していたと思う。

さあ、期待も胸に作品を鑑賞すると…
確かに、殺人シーンがあるものの…
あれ?あれ?
何だか違う。
期待していた展開じゃない。
だけど…
面白い!
面白すぎる!!

ホラーの要素もないわけじゃないけど、むしろヒッチコックを思わせるサスペンス
さらに、バスター・キートンを彷彿されるオーセンティックなハイテンポなアクション
また、気弱な主人公の青年の淡い恋心と、それから展開する洒落たラブコメ
そして事もあろうか、ハリウッドの黄金時代をも感じさせるミュージカル
いやいや、とてつもいない傑作コメディ

出演者の名前を書くまでもないほどの無名のキャストと、想像される低予算。
そんな作品なのに、見事なまでにアメリカの娯楽映画の要素がすべてつまっているのだ。

恐るべし、監督の才能!

そして極めつけはエンディンクの見事さ。
この作品の冒頭での、意味不明のシスターたちの車の暴走シーンが、
キッチリとした伏線となって立ち上がる。
果たして、その意味は?

時をかける少女』でのエンディングを絶賛したワシであるが、
この作品のエンディングも見事。

あまりにも気持ち良く、劇場をあとにする事が出来ます。
至福の瞬間…

そして、エンディングロールの途中で席を立たないように。
最後におまけもありますから。


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