今回は新作のご紹介。

『未来を生きる君たちへ』

スサンネ・ビア監督、デンマーク映画。
”君たち”って、結局は自分の子供の事なのである。
重いテーマの作品だ。

何とか、最小限のストーリーを出来るだけ簡潔に紹介しよう。
舞台はデンマークの小学校。
不仲の医者両親を持ついじめられっ子の少年A。
父親はアフリカの不法地帯で派遣医をしている。
そこに母親が亡くなったために転校して来た少年B。
決して粗野ではなく利発な少年だ。
少年Bは、Aをいじめる子に暴力を振るう事で少年Bを窮地から救う。
非暴力主義の少年Aの父親。彼は、自分の信念を息子に伝える事は出来るのだろうか?
思いっきりかいつまんでの紹介だ。

この展開と言うか、テーマ。
自分と重ね合わさずにいられない。
観客である自分に「お前だったらどうする?子供をどう教育する?
と、シビアに問いかけられる。
父親として。
夫として。
医療人として。
真摯に向かうことが出来るか?
逃げるのも、ひとつの形だ。

この展開、アメリカ映画だったら問題を真正面から解決する力強い父親がヒーローになるだろう。
アメリカ、そんな国だ。
良くも悪しくも。
このデンマーク映画は、そのような展開にならない。
しかし、米アカデミー賞外国語映画賞を受賞しているのである。

素晴らしい出来の作品だが、楽しくないので7点。
観ていて逃げ出したくなった。