去年イギリスで見つかった遺骨が
リチャード3世のものと断定されたそうです
リチャード3世って誰?
1452-1485
ヨーク家の最後の王であり
薔薇戦争の最後の王
当時 イギリスは二つに割れていた
ランカスター家(赤バラの紋章)と
ヨーク家(白バラの紋章)
どちらも前王家の血が流れているため
王位をめぐって戦争をしていた
かろうじて兄エドワードが即位したが
王位はとても不安定
そして兄には息子がおり
自分には王位がめぐってきそうになかった
兄の死後 兄の息子(エドワード5世)の摂政となるや
邪魔者を次々と粛清
さらに甥の王位に異議を唱え 甥に変わって即位
しかしリチャードの栄華も長く続かず
即位から たった3年足らずで味方の裏切りで戦士
馬上で矢を受け 落馬し丸裸にされ
遺体は埋葬された教会ごと行方がわからなくなっていました
彼が一躍有名になったのはシャイクスピアの戯曲
「リチャード3世」だ
この話では主役だが
生来 障害を持った醜男で
性格も残忍で執念深い
兄の腹心として 汚れ役を背負い
兄の死後は 牙をむき出して王位を狙った
次々と邪魔者を抹殺し
幼い甥二人をロンドン塔で幽閉し 密かに暗殺
全てを失って戦場で死ぬ刹那
「馬をくれ馬を! 王位をやるぞ!」というセリフが有名です
しかしこれはあくまでフィクション
実際の姿はどうだったのでしょう
本当に彼が幼い王子を殺したのでしょうか
昨年 発見された遺骨はほぼ完全な形で残されたもので
頭の矢のキズをはじめ
場所や 傷跡など 中性からの伝承の符号に一致することから
リチャードのものとされてきました
しかも 子孫のDNDとも一致
(530年前からの系図が分かるのもすごい!)
正式にリチャード3世のものと断定されたそうです
遺骨から復元されたリチャード3世の顔
たしかにシャイクスピアの戯曲のような醜男ではないですね
肖像画によく似ています
530年の時を超えて発見されたリチャード
華やかな兄王の元で どのように育ったのか
二人の王子の行方は
そして戦場でただ一人消えてゆくその時
彼は何を思ったのか
少しでも解明されることを
歴史ファンとして楽しみにしています