光源氏 19歳
雅楽のリハーサルが行われ、頭の中将と舞を舞った
光源氏は 御簾の向こうにいる愛しい藤壺のために 舞った。
輝くばかりの美しい舞姿に 満座の人々は 魅了される。
しかし光源氏の心は 愛しい藤壺ばかりを向いている。
藤壺 24歳
桐壺帝の妃 光源氏の子を懐妊中
光源氏の舞姿を、美しいと思いながらも
不義の子をおなかに抱え
罪の意識にさいなまれている。
罪の露見を恐れて 光源氏を避けるようになった。
桐壺帝
光源氏の父
光源氏へも 藤壺への愛情も変わることはなく
また 藤壺の生んだ男児を抱いて 「光源氏に似て、とても可愛いね」と
喜びに溢れている。
光源氏
父・桐壺帝は 秘密に気づいているのか いないのか
自分と藤壺の不義の子を抱いて、素直に喜んでいる様子を見て
改めで罪悪感を感じる。
幻のような夢の一夜を経て
光源氏の心は さらに藤壺でいっぱいになってしまった
しかし 藤壺の腹には 光源氏の子が・・・
藤壺は 罪悪感にさいなまれながらも
子供を守るため 罪の露見を避けるために 光源氏を避けるようなる
聡明で冷静な彼女に比べれば 光源氏はまだまだ青い
光源氏そっくりの若君・・・
光源氏は もちろん誰の子か分かってはいるが
父・桐壺帝は 秘密に気づいているのか・・・・
気づいて 尚 生まれた子を可愛がるこの大らかさ、懐の深さは
晩年の光源氏には ないものだ。
紅葉の美しい舞のなか 三人の心理描写がくっきりしていて
今後の展開の核になっている。
紅葉舞う 美しい秋の日
この手の先には かの美しい人が
私たちの出来事は 私たちしか知らない
私たちの心は 私たちしか 知らないはずだ
その愛しさを
赤く燃え上がるような 紅葉の赤にのせて
私の指先から 足の先から
私の視線 ひるがえす衣の袖
まとう香りもすべて
愛しいあなただけのため
私の世界は あなたしか 見えない
挿絵:「写真集 窯変源氏物語」より抜粋
この記事は 源氏物語を私風に意訳したものです。
簡潔編集を心がけておりますので、どうか大きな気持ちで お読みいただければと思います。
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