光源氏 18歳
高貴な女性たちとの 恋に疲れた光源氏は 北山に静養にきた。
そして 運命の出会い。
山里の庵に住む少女は 愛しい藤壺そっくりで・・・
聞けば 藤壺の兄の かくし子であるという。
光源氏は この少女を引きとって 暮らしはじめる
若紫(紫の上)10歳
藤壺の兄の子
父は身分高く、正妻もいるので、若紫の母は日陰の身であった
やがて母にも祖母にも死なれ 光源氏にひきとられる
「捕まえた雀の子が、逃げてしまった」と泣きじゃくる少女は
無邪気で愛らしい。
藤壺 23歳
桐壺帝の妃
藤壺が実家にさがった折 ついに光源氏は想いを遂げた。
夢のような藤壺との一夜。
時がすぎても 光源氏は藤壺を恋うる気持ちで いっぱいだが
藤壺は罪の意識と現実に さいなまれている。
彼女の中には 光源氏の子供がー・・・
2人にとって 運命の一夜ですが 具体的なシーンは全くありません。
それだけに かえって官能的で 儚げな印象。
出来事よりも 前後の心理描写がとても丁寧で
リアリティがありますね。
藤壺が光源氏をどう思っていたかは 具体的に描写がありませんが、
もともと桐壺更衣の代わりに 桐壺帝の妃になった彼女。
誰の代わりでもない 自分自身を愛してくれる光源氏を
本当は好いていたと 信じたいですね。
そして 光源氏の終生の妻となる、後の紫の上。
あどけない10歳の少女との出会いは 光源氏に愛情と安らぎをもたらします。
藤壺に似ているだけでなく 若紫は自分と同じ境遇。
若紫も自分も 高貴な父と身分の低い母。 父の正妻の憎悪。
ただ 光源氏は父に愛され、若紫は父に疎まれている。
同じ境遇の若紫に自分を重ね 慈しむ光源氏の愛情の深さを感じます。
運命の恋
運命の出会い
一生を共にする想いと
一生を共にするひと
春の花の精のような娘は
かの人に瓜二つで
手に入れた 私だけの宝物
そして
あれは現実だったのか それとも幻か
切ない夜を越えて あの方にめぐり会う
それだけに生きてきた
禁断の垣根を越えて 夢の人をこの手に抱いたのは
すべては 真夏の夜の夢なのかー・・・
挿絵:「写真集 窯変源氏物語」より抜粋
この記事は 源氏物語を私風に意訳したものです。
簡潔編集を心がけておりますので、どうか大きな気持ちで お読みいただければと思います。
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