すっごく 面白い小説を見つけたので
ご紹介します!
幕末小説
武市さん&以蔵 です!!
以蔵よ
お前を見ていると 恐ろしいほどの愛情と
侮蔑が 湧き上がる
私が求めるのは 刀ではない 志だ
何故 お前には わからない
何故 私と同じ位置で
同じものを 見ようとしないのか
もとより 俺の目には
あんたしか映っていない
あんたが 俺の全てだ
俺は ただ愛されたい
あんたを失うくらいなら
俺のこの手で 壊してしまおう
と まあ これは私が作ったイメージ文章ですが・・・
本当のキャッチコピーはこっち
至福の人斬り。
武市は勤王のために
愛弟子を鬼に変えた。
以蔵は師に認められたい一心で
次々と人を斬った。
師弟愛を
踏みはずした先に
待つものは――。
幕末に散った「人斬り以蔵」の真実。
傑作歴史長編。
武市さんの切腹で始まり 以蔵の斬首で終る、この小説
なにがすごいって 2人の心の襞がすごい
歴史モノですから 政治的なベースもしっかりして
わかりやすいです
生まれながらに虐げられててきた以蔵の
鬱屈、卑屈さは すさまじく
唯一 認めてくれた武市に対して
尊敬や 恩義、敬愛を越えて
もはや 愛情という名の 絶対者として 執着する
武市さんにとっては 以蔵は可愛い一番弟子で
慈しんでいたものの
自分のために 人斬りを続ける以蔵に
可愛さと同時に 恐ろしさを 感じる
以蔵は 武市さんのちょっとした動きにに敏感で
それら全てが 不安になる
そして 人斬りを繰り返す・・・
武市さんは 以蔵に志士になってもらいたいと 願い
以蔵は 武市の 全てがほしい
(BLでなくて・・・)
武市さんの目には いつも日本地図があって
以蔵の目には 武市さんしか映っていない
このすれ違い
そしてラスト
牢獄の2人
武市からの毒は
高潔な自決か
裏切りの抹殺か
もうひとつのキャチコピーは
武市に遠ざけられたと思いこんだ以蔵は、
京に潜伏していたところを捕縛され、
武市に不利な自白を繰り返した――。
この世でもっとも大切なものを
汚して死んでいく。
武市に見捨てられるよりは、
ずっと幸せだった。
途中 以蔵の情人を登場させ
武市と以蔵の関係性を 鏡面のように表現したのが
ある意味リアルで わかりやすかったです
ほぼ史実といわれる流れに
2人の情念の 襞を モロに描いた、というカンジです
これが 男と女のラブストーリーだったら
昼ドラもびっくりの どろどろ怨念ドラマですが
苛烈な時代を生きる 男達だからこそ
悲しくも 読み応えのある物語に なっているのですね
・・・にしても この表紙・・・・
どうにか ならないのか・・・・
どうみてもBL・・・・・
これじゃ 店頭で買えないよ・・・
文庫化されるときは もっと渋い絵で お願いします・・・
これで二時間ドラマか映画
作ってくれないかなー