2000年 大島渚監督
新撰組モノの中では 異色の心理サスペンス映画
美剣士・加納惣三郎の妖艶さに、新撰組が狂わされてゆく・・・・
「隊内に男色が流行って、困るなう」ってゆー 近藤さんの書簡を本に作られた、お話ですね。
近藤さんのつぶやきを元に作られた 司馬さん本が原作です。
実際の加納惣三郎は、男色どろこか 遊郭にハマって、土方に粛清されています。
なにより なにより!
惣三郎役の松田龍平くんの 色っぽいこと!!
とても15歳とは 思えません!!
そして この美少年、 無表情で淡々としていて
何を考えているか わからない
だからこそ 彼に懸想する男達は
ヤキモキし 疑心暗鬼になり バランスを失って狂気に堕ちてゆく
そして 惣三郎は ますます妖艶さを 増してゆくー・・・
また 周りの配役が すさまじい
土方のビートたけしをはじめ
男くさくて マッチョばっかり
さわやかイケメン好みの今では 考えられない配役です
衆道といっても 腐女子好みのBLではないし
殺陣や ラブシーンもあんまりない
演出も CG過剰な今の映画とちがって
昔ながらの日本映画の雰囲気(うまく言えなくてゴメンナサイ)
衣装も 浅葱の羽織りじゃなくて
黒の軍服のような隊服が すっごくカッコイイです
日本独特の 心理描写
ストレートに描かず あえて輪郭をぼかし
日本独特の じめっとした質感
全体的に暗く 奥行きのない空間が
美しすぎる あやかしのような 加納惣三郎を
さらに 際立たせているようです
実際 新撰組名簿に彼の名はなく
抹消されたか
はじめから 存在しなかったのか・・・・
雨降る夜に じっとり見たい
幕末 異色映画です