「北走新選組」 白泉社 菅野文
新政府軍に対抗して、会津・仙台・蝦夷と
北走する新選組を 描いた名作で
野村利三郎・相馬主計・土方歳三を主役とする3部作である
「碧還る」
野村利三郎が主人公
土方に「真の武士の姿」を見出し、土方がいれば新撰組は生き続けると
北走を続ける
義に殉じた侍の血は 死して後、碧になるという伝承をモチーフにしている
後にこれは「碧血碑」として
戊辰・函館戦争の慰霊碑となっている
「散る緋」
相馬主計が主人公
近藤の嘆願により処刑を免れ、土方と合流し函館で戦う。
土方の死後、配流ののち、東京で割腹
最後の新撰組隊長として、誠の緋に散った
「殉白」
土方歳三が主人公
近藤の死後、生きる意味を失った土方は
ただ淡々と戦い続けていた
しかし
彼にとって 生きる意味、戦う意味
信じられるのもはー・・・!
雪のように 静かで重厚で
汚れなく そして雪のように潔く消えてゆく
雪のように生きた土方の最期を描く
こうやってレビューを書くだけでも 泣きそうになってしまう名作です
戦闘のダイナミックさと
小さな心の動きを繊細に描いていて
3人が どう生きて 苦しんで
最期は義を信じ、義に殉じてゆくか
新撰組ファンの皆様に 心を込めてお勧めします