この記事の結論
インプラントはボリュームを足す道具で、位置を上げる手術ではありません。
判断の分かれ目は乳頭と、バストの下のラインの位置関係です。乳頭が下のラインより下にあれば、インプラントだけでは足りません。
無理に入れるとウォーターフォール変形(組織がインプラントの前に流れ落ちて2層に見える)が起こります。
こんにちは。
韓国・ソウル江南でバストの手術だけを専門に行っている、UNE美容外科(ユネ美容外科)の院長・金誼健(キム・ウィゴン)です。
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出産と授乳を終えられた方から、いちばん多くいただくご相談です。
「少し下がってしまって……。リフトの傷は残したくないので、インプラントだけで上げられませんか」
お気持ちはよく分かります。傷を増やしたくないというのは当然のご希望です。
ただ、ここは正直にお伝えしないといけません。
インプラントは、位置を上げる手術ではありません。
入れるだけだと、こうなります
インプラントは胸壁に近いところに固定されます。上のほうで、動きません。
いっぽう、下がってしまったご自身の組織はそのまま下に残ります。
皮膚も伸びたままです。
その結果、上のインプラントの前を、下の組織が流れ落ちるような形になります。
横から見ると段差ができて2層に分かれて見える。これをウォーターフォール変形といいます。
もうひとつスヌーピー変形という形もあります。
乳頭と下のふくらみだけが前に長く突き出して、横顔がスヌーピーの鼻のように見える状態です。
どちらも「入れる量が足りなかった」のではありません。
位置の問題を、量で解決しようとしたときに起こります。
分かれ目は、乳頭と下のラインの位置関係です
ここが判断のすべてです。専門的にはRegnault分類という基準を使います。
Grade I(軽度) 乳頭が下のラインとほぼ同じ高さ
Grade II(中等度) 乳頭が下のラインより1〜3cm下
Grade III(重度) 乳頭が3cm以上下で、下を向いている
仮性下垂 乳頭の位置は正常。下のボリュームだけが抜けた状態
インプラントだけで対応できるのは、仮性下垂と、Grade Iの一部です。
仮性下垂は、乳頭が正しい位置にあって下が空になっているだけなので、そこを埋めれば相対的に乳頭が上がったように見えます。
反対にGrade II以上は、乳頭そのものが下にあります。
下を埋めても、乳頭は下にあるままです。
もうひとつの数字 ── 乳頭から下のラインまで
診察でお伝えしている目安があります。乳頭から下のラインまでの距離です。
8cm以下 インプラント単独で改善できる可能性があります
8〜9cm 境界。ほかの条件と合わせて判断します
9cm以上 挙上を同時に行うことを検討します
あわせて皮膚の伸びやすさも見ます。つまんで戻る速さで、ある程度分かります。
大幅な減量のあとや、授乳で大きく変化されたあとは、距離が同じでも皮膚側の条件が違うことがあります。
なぜ「入れてから考える」ではいけないのか
「まずインプラントだけ入れて、足りなければあとで挙上する」というご希望をいただくことがあります。
できなくはありません。ただ、おすすめはしていません。
変形が出てからの修正は、被膜と瘢痕がある状態での手術になります。剥離が難しく、回復も長くかかります。
結果として傷も費用も回復期間も、最初から同時に行うより増えます。
傷を避けたくて選んだはずが、逆になってしまう。これが実際に起きていることです。
傷のことを、正直に
挙上を同時に行う場合、乳輪のまわりに傷が入ります。程度によっては、そこから下に縦の線が加わります。
これは事実としてお伝えします。隠しても仕方がありません。
そのうえで申し上げると、傷は時間とともに白く目立たなくなっていきます。いっぽう形の不自然さは、時間では改善しません。
どちらを取るかは、最終的にはご本人の判断です。
私がお伝えできるのは、いまの状態でインプラントだけを入れたらどうなるかを正確にお見せすることまでです。
よくいただくご質問
Q. 自分がどのくらい下がっているか、写真で分かりますか?
おおよそは分かります。正面と横からの写真をLINEでお送りいただければ、事前にご案内しています。正確な距離は来院時に測ります。
Q. 挙上だけで、インプラントなしでもいいですか?
ボリュームが十分にあれば可能です。ただし上のほうが薄くなりやすいので、そこを気にされる方には併用をご提案しています。
Q. 同時に行うと、手術は大がかりになりますか?
時間は長くなります。ただし2回に分けるより、全体では体への負担も費用も少なくなります。
Q. 授乳への影響はありますか?
挙上では乳輪のまわりを切開するため、乳管に触れる可能性があります。出産のご予定がある場合は、時期を含めてご相談ください。
Q. 何年かしたら、また下がりますか?
組織の変化は続くので、可能性はあります。だからこそ下のラインをしっかり固定する操作が、長く保つうえで重要になります。
まとめ
一、インプラントはボリュームを足す道具。位置を上げる手術ではありません
二、分かれ目は乳頭と下のラインの位置関係。乳頭が下にあれば挙上を検討します
三、無理に入れるとウォーターフォール変形・スヌーピー変形が起こり、直すほうが大変になります
「インプラントだけで上がりますか」と聞かれたら、私はまず横から写真を撮らせてくださいとお願いします。
答えは、そこにはっきり写っています。
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ご質問があれば、コメントやLINEでお気軽にどうぞ。
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この記事を書いた人
金誼健(キム・ウィゴン)/UNE美容外科 院長
韓国の形成外科専門医。バストの手術だけを専門に診療しています。
バスト手術の累計症例 3,500件以上(2026年1月時点)。
カウンセリングから執刀、アフターケアまで一貫して担当しています。
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※ 豊胸手術・乳房挙上術は自由診療です。腫れ・内出血・痛み・傷あと・被膜拘縮・左右差・乳頭乳輪の知覚変化・授乳への影響などのリスクがあります。個人によって効果や副作用は異なることがあり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。適応と費用は診察のうえでご案内しています。
※ 本記事は特定の医療機関を推奨・比較する目的のものではありません。当院の診療方針をまとめたもので、診断に代わるものではありません。

