節電と省エネは違う、という話を聞いた。特にこの夏の「節電」には経営判断が必要になるという。
今年の夏の「節電」はピーク時間帯(9:00~20:00)の最大使用電力を下げる、ということで、普通の節電とは違っている。省エネとは、使用するエネルギーの全体量を削減することで、使わない時間帯の電源を切るとか、エネルギー消費の少ない設備を利用して、時間帯に関わらず、平均的にエネルギー消費量を減らすことなどがある。しかし、この夏の「節電」は、全体量が削減できるかどうかに関わらず、ピーク時間帯の電力使用量を下げることが必要になる。
通常企業が営業している時間帯での電力削減であるため、各企業とも、何らかの形で業務に影響が出ることになる。したがって、「節電」を実行するためには、業務の優先順位を考え、「何を残し、何を諦めるか」というトレードオフの判断、つまり経営判断が必要になるということである。
例えば、ピーク時間帯に工場の一部設備を停止するのであれば、一部の製品の生産を縮小することになる。どの製品の生産量を維持し、どの製品の生産を縮小するのかは、難しい判断になる場合が多い。操業時間帯のシフト(ピークシフト)や休日のシフトは、顧客への影響を考慮し、また従業員の生活への影響も考えなければならない。いずれも経営レベルでの判断が必要になる。
通常の省エネであれば、業務への影響は最小限またはゼロにとどめて、可能な範囲で努力をすることになる。したがって、省エネは、必ずしも「経営判断」とまで言わずとも、現場の知恵と改善努力での実行も可能である。しかし、この夏の「節電」は、ボトムアップの改善活動だけに頼るわけには行かないのである。しかも、大口需要家に対しては罰則規定もあり、また全ての企業にとって、社会的責任としても経営レベルで節電に取り組む必要がある。
以前「エコブランド -顧客が参加するエコ-」というエントリーで、顧客がエコロジー活動に参加していることを実感できるような製品やサービスの提供が、「エコブランド」の強化につながると書いた。現在殆どの企業が節電施策の策定に苦労していることとは思うが、もう一歩進んで、自社の節電に加えて、「顧客の節電につながる」製品やサービスを提供すること、を目指してはどうだろうか。そうすることが、社会的責任を果たすことであり、ブランドの強化にもつながるはずである。
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