意識の奥で誰かに話しかけられていた。
(おーい。おーい)
「こんなとこで寝てたら危ないぞー。」
その声に遠のいていた意識が現実へと引き込まれる。
軽く寝ぼけながら、まだ眠い気持ちを無理やり起こし目を開けた。
外は相変わらず激しい音が鳴り続けている。
先ほどよりはだいぶ人数が減っているが、それでもまだ雨宿りする人々がいた。
パッとその声の主を見ると、先ほどのBARのマスター菅野だった。
菅野「こんなとこで寝てんのか??風邪ひくぞ。」
横を見ると愛華は完全に爆睡している。
私「あ、気づいたら寝てました笑どうせ始発もないんで待ってたんですよ。」
菅野「あー、そーなんかあ。俺もう上がりだから帰るな。」
私「あーそうなんですね。めちゃくちゃ雨降ってますけど。」
菅野「まあ、タクるから大丈夫よ。」
私「なら、大丈夫ですね。気をつけてくださいね。」
菅野「いや。それはこっちのセリフ。お前らこそこんなとこで女の子2人で寝てたら襲われっぞ。」
私「こんな大人数の前で誰も襲いませんよ笑」
菅野「まあ、まあ気をつけろよ。お前らも。んじゃな。」
私「お疲れ様でーす。」
菅野「ウィッス」
携帯を見ると時刻はAM4:30を表示していた。
始発はまだだがきっと駅は空いているのだろう。
画面には、友達数人と蓮から新着メールがありますとラインが来ていた。
開くと蓮から
【ごめん。アフター長引きそう。】
と10分前ほどに来ていた。
私はとりあえず友達数人にラインを返していると、菅野から
【今日は来てくれてありがとな。気をつけろよ。おやすみ♪】
と来た。
当たり障りのない返事を返し、眠いという意識の中で蓮にテキトーにラインを返した。
久美子【もう早く来てーーーー。蓮くんなんか大っ嫌い!!!】
こうして私は再び眠りについた。