再UPの為、サラッと文にいきます。












待ちかねただろう


俺だ。風間千景だ。

新選組の屯所で、おまえ宛ての【文】を送るという流行が生じたそうだな。この俺を差し置いておまえに手紙を渡そうなど実に片腹痛い所業だ……。

千鶴が俺の嫁になるのは既に約束された未来も同然。
それがわかっていながら、あえて他人のものへ手を出そうなど……。新選組の連中は最低限の礼節も知らんようだな。

しかし、奴らは所詮、田舎侍だ。これもまた仕方のないことだろうと、懐深い俺は新選組の無礼も受け入れてやることにした。
その代わり、俺もおまえに【文】を送る。喜べ。
俺が女に文字をつづって渡すなど、これまで例を見なかったことだ。心から歓喜せよ。

が、【文】のやりとり程度で他人に口を挟まれるのは好かん。
隊士どもに騒がれんよう、夜、おまえの部屋に忍んで【文】を残していく予定だ。
途中、邪魔者と出会えば一戦交えることになるやもしれんが……。何、心配は無用だ。俺は人間風情には負けんからな。

千鶴。
おまえは早々に俺の嫁になる心の準備を済ませておけ。そちら次第でいつでも迎えに行くが、俺はこう見えて気が長いほうだ。

もうしばらくの間なら、こうして距離の開いていることを楽しみながら【文】を交わすことにも価値を見出してやろう。

風間 千景