CD-RW
草木も眠る丑三つ時の午前2時。とある会社の片隅。
パソコンの前で悪戦苦闘する男が二人。
「その辺にCD-RW無い?」
「CD-RW?CD-Rなら山ほど有るけど」
「Rじゃだめなんだよ、RWじゃないと。何度も書き直しするから。Rじゃゴミが沢山でることになるだろ」
「細かいこと気にするなよ。CD-Rなんて安いものだし」
「値段の問題じゃない。俺は環境に優しい男なんだ」
「ならDVDはどう?DVD-RAMもDVD-RWも有るけど」
「納品はCD-RでやるんだからDVDは論外」
「でも無いものは無いよ」
「じゃあ、買ってくるよ。コンビニでも売ってるだろ」
男は真夜中のオフィス街に飛び出した。
明日は雪が降るというが、確かに凍えるような寒さが肌を刺す。
大通りに出るとすぐにコンビニは見つかった。
しかし、CD-RWは見つからなかった。
さすがはコンビニ、CD-Rは売っている。
DVD-RAMもDVD-RWも、メモリーカードすら売っている。
なのにCD-RWは売っていない。
男は外に出て、空を見上げた。
「今どきはCD-RWなんて誰も使わないのか」
少し寂しい気分に浸りながら、会社へ戻っていった。
環境に優しくない男になる決意を胸に秘めて。