以前、こちらのブログでも

書かせていただいた<火車>が

リメイクされました。


劇団出身で俳優と言うよりも、

役者と言った方がいい

上川と寺脇が

佐々木を追うという設定です。


以前に放送された作品を観た人たちは、

多分、10人いたら、

8人くらいは、以前の方がいいと

言うと思います。


佐々木希を最初見た時は、

「えらい、目つきのキッツイ子やなぁ。」

という印象でした。

今も、その印象は、変わりません。

顔的にも昭和の悪女ぽい顔なので、

時代的にも、

違和感がなかったのかもしれません。



以前の作品は、

追いつめられる役を財前が演じ、

殺される役を森口瑶子が演じました。

二人が入れ替わっても

いいのではないかと思いました。



今回は、

追いつめられる役は、佐々木希で、

殺される役は、田畑智子でした。

二人は入れ替わるのは、

無理です。


佐々木希の容姿を田畑智子に、

田畑智子の演技力を佐々木希に、

与えてあげれば、

入れ替わることは、できると思いますが、

ないものねだりです。


それと、話の展開にも、

魅力がありませんでした。

親戚からの頼みで、

仕方なく引き受けた婚約者の行方を

追うのですが、

依頼者が必要ないと言っても、

まだ、続けます。


それほど、彼女の動向が、

気にかかります。

不自由な足をひきずってまで、

アチコチ歩き回るのは、

ただ、単に刑事としてのカンだけではなく、

彼女の人生にある悲しみが、

何かしら、訴えてくるからです。



親の負った借金を引き継ぎ、

その筋の人から、

地獄で生きるような扱いを受けます。

それでも、彼女の中にある生への執着心は、

尋常ではありません。

人を殺してまで、

その殺した相手になりかわろうとする

その執着心が、

刑事を引きつけます。


なぜなら、

彼は、愛する妻を突然の事故で亡くし、

一人幼い子供残されて、

どうして生きて行っていいのか、

わからないまま、時が過ぎて行きます。

残された自分の息子にも、

どう接していいのか、

わからないまま、

つらく当たります。


若くきれいな女が、

自分の人生を生きるために、

人を殺すしかなかった、

また、そんな方法しか思いつかない、

その哀しみと強さが、

生きる気力を失っていた刑事に、

ひたすら、生きる力を与える様子を

描き切れていないのです。


これを機会に、

以前の<火車>も、

再放送か、DVD化してほしいものです。