前の記事で、阪神大震災の被災者の話を聞いた
NHKのアナウンサーがなぜ涙ぐんだのかを、
書かせてください。
ただ、正確でない部分もあると思いますが、
どうか、ご容赦ください。
その番組は、特集番組でした。
阪神大震災の被災者の方に、
レポーターの方が話を聞いていました。
ほとんどの人が、悲しみを訴えていました。
その中で、レポーターが
自転車に乗った40代にみえる女性の話を
聞いていました。
彼女は、「これから、生活用品を買いに行く」途中でした。
彼女は、震災で、夫と二人の息子を亡くしていて
自分一人が生き残ったことを語りました。
画面で見る彼女は、悲しんでいませんでした。
違和感を覚えたのは、私だけではないと思います。
彼女は、その後続けました。
「もし、私が反対の立場で、先に死んで、
残った家族が私の死を悲しんでばかりいたら、
私は家族を怒ります。
『何してんの。私の分までしっかり生きんな、アカンでしょう。』
と。
だから、私がここで悲しんで、何もしないでいたら、
亡くなった夫と息子二人に怒られます。
私は、亡くなった家族の分まで、しっかり生きないといけないんです。」
そう言うと、彼女は、「買い物に行ってきます」と
自転車で走って行きました。
大体、こういう内容でした。
私も涙しました。
彼女が、どれだけ耐えているか、見ればわかります。
悲しくないわけはありません。
こういうことを言う人が、
眠れない日々を送っているのは、
誰の目を見てもわかりました。
書きながら、
私も再度、涙ぐんでいます。
弟が交通事故で亡くなった時に、
私たち家族は、彼女のように考えませんでした。
母は、
「楽しいことをしたら、申し訳ない」
と泣いてばかりいました。
夜中にお手洗いに下に行くと、
母が布団をかぶりながら、
弟のアルバムをめくっている姿を何度も見ました。
それぞれが、それぞれの方法で、
耐え忍び、
生きていかなければなりません。
つらく、切ないことです。