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ユダヤ人の少年であるシュムールは、

丸坊主で、大きな目をしている。

その大きな眼を縁取る長いまつげが印象的で、

とても、可愛い。

ほっぺもポチャポチャにもかかわらず、

何かしら、悲しげである。

ときどき見せる卑屈な表情も、

この少年の立場をよく物語っている。


もちろん、シュムールも幼いので、

本当のところ、自分の身の上に

何が起きているのか、

はっきりわからない。


祖父母が、この強制収容所に着いたたと同時に

具合が悪くなり、

すぐに病院に運ばれたが、

亡くなってしまった。

葬式もひらいていない、と言うことは、わかる。

けれど、これは、

彼の父親がシュムールを悲しませないために

ついた嘘であることが、私たちにはわかる。


さらに、ある日から

シュムールの父親が別の仕事に配属されたきり、

帰ってこない。

シュムールの家族は、

全員、ガス室送りになって、

今は、孤独の身であるが、

それさえも、彼にはわからないのだ。

ただ、自分の身内がいなくなっていくのが、

不安で、切ないばかりである。


【ソフィーの選択】でも

同様であるが、

このように、個別に一人一人の人生の上で、

何がこの時代に起きたのかを、

観ることによって、

私たちは、その行為を自分の一部として、

感じ取ることができる。

具体的な名前、具体的な顔や表情、

それぞれの背景、

それらが抱え込む全てが無残な形で

摘み取られることに対して、

やりきれなさを感じることができる。


例え、どんなことがあっても、

こんな風に人間を扱っては、いけないのだ。

単純なことが、

ある一つの目的のために、

目くらましになってしまう。


自分自身にも、歯止めをつけることを、

肝に銘じるべきだと改めて、思う。