主役のドイツ人少年であるブルーノは、
どこかしら【アダムス・ファミリー】的な雰囲気を
持っている。
黒髪にブルーの瞳が、独特で、
利口そうである。
シュムールと言う名前を持つ8歳の少年が、
自分と同じくらいの大きさの手押し車を
フラフラしながら歩く姿は、
痛々しい。
彼は、いつも、顔や体が汚れている。
小屋を建てるのに、
働かされているからである。
二人の少年が、
有刺鉄線越しにいろいろと話をするのだが、
ブルーノが
「なぜ、ここから出られないのか?」
と8歳の少年らしい純粋さで、シュムールに尋ねる。
「ユダヤ人だから。」
と、シュムールが下向き加減に小さな声で答える。
この後、二人の少年の間に気まずい空気が流れる。
この気まずさが、少年たちに影を落とす。
さらに、シュムールがブルーノの家の手伝いに来る。
ブルーノが、お菓子をシュムールに勧める。
それを、ドイツ将校に見つかってしまう。
ブルーノは、自分の身の可愛さに、
すべての責任をシュムールに押し付ける。
数日後、いつもの場所に行くと、
シュムールが、いた。
彼の顔は、傷ついていた。
将校に殴られたのだ。
すべて、ブルーノのせいである。
シュームルは、ひどい仕打ちをされたにもかかわらず、
ブルーノを許す。
有刺鉄線越しに、握手を求めるのだ。
簡単に許してしまうシュムールが
わからないと言う人もいる。
私には、わかる。
子供は子供なりに、上下関係があるのだ。
ブルーノは、意識していないが、
シュムールは、よくわかっている。
ブルーノは友人であるが、
強い立場にある。
その証拠に、シュムールは
いつも、ブルーノから食べ物を恵んでもらっている。
シュムールにとっても、
ブルーノ同様に、たった一人の友人なのだ。
しかも、食べ物を持ってきてくれ、
ゲームを教えてくれる、
いい話相手だ。
それに、ブルーノが悪い人間でないのは、
わかっているのだ。
つづきは3で。