どんなビジネスにでも、共通に言えることであるが、

顧客の趣味趣向や生活スタイルと言うのは、

あらゆる形で表れる。

クリーニング屋においても、

そうである。


その人が身につける洋服で

いろいろなことが、わかる。

彼女は、そう考えた。


たとえば、女性でも、

一生、豹柄を見つけない人と、

好んで身につける人と

存在する。


そして、価格ラインも大事だ。

リーズナブルであっても、

ある程度の品質を求める人、

普段は、下2桁80円の洋服であっても、

年に何回かは、贅沢をするという人、

裕福な人で、常にブランド品を身につける人、

等々、非常にわかりやすい。


彼女は、顧客とは、必要なこと以外のことは話はしなかった。

できるだけ、わずらわしい人間関係は、

避けたかったのである。


毎週土曜日の午後に、

シャツを5枚から6枚持ってくる男性がいた。

そういう人は、何人かいて、

勤め人であることがわかる。