「トラ年」の子供がほしいという彼女から、

「セックス」を勉強するのに、

チバに協力をしてもらっているというのを聞いても、

誰も、嫉妬する人は、いません。


チバは、年上の女性と同棲をしていました。

ある日、チバが家に帰ってきたところ、

彼女の荷物がなくなっていて、

翌日、彼女の勤め先に電話をかけたところ、

会社を辞めていたそうです。


私たちの間では、

「よっぽど、チバがいやだったんだよ。」

ということになりました。


私の周りでは、

ホームパーティがよく開かれていました。

私も、何度か誘われることがあり、

私自身も開催することもありました。


ある時、また、ホームパーティに誘われました。

「トラ年」の子に電話して、

「来ない?」と誘ったところ、

彼女は、来るということでした。

その他、何人かの人に声をかけました。

結構な人が参加しました。

会場は、あるコジャレタ事務所でした。

帰国子女の人たちが、始めた事業で、

高級住宅地にある事務所を借りていたのです。


私は、「トラ年」の子に、

「よかったら、チバにも、声をかけておいて。」

と頼みました。

すると、チバは、

「○○さん(私)から、直接、

誘われたわけではないから、行かない。」

と言うのです。

私は、「別に、(来なくても)いいよ。」と

サラリと言いました。

そして、パーティは、終わりました。


翌日は、日曜日でした。

「トラ年」の子から、昼間に電話がありました。


「ごめんね。

 ゆうべさぁ、チバから電話があって、

 しかも、夜中の3時だよ。

 『○○さん(私)に、誤解されているみたいだから、

 弁解したい。

 電話番号を教えてくれ。』って、言うんだよ。

私もすっかり寝ていたからさ、寝ぼけて、

○○さん(私)の電話番号、教えちゃったよ。

わざと、3時に電話かけてきたと思うんだよね。

ごめんね。」


私は、思わず、叫びました。

「えぇ。」

けれど、彼女を責めても仕方ありません。

状況的にも、彼女に同情する余地はあります。

何しろ、夜中の3時ですから。


私は、彼女に言いました。

「誤解って、誤った解釈でしょう。

 私は、誤った解釈してへんもん。」

私は、言葉を分解するのが、

好きなのです。


私は、チバの電話番号を知っていますが、

チバには、自分の電話番号を教えていませんでした。

これだけでも、私たちの関係は、明らかです。

一方通行の関係です。

それは、私だけではなく、

何人かの人たちも、電話番号を教えていませんでした。

はたして、私たちは、

残酷なのでしょうか。


結局、チバから誤解を解く電話はありませんでした。

それ以来、私もチバを誘うことは、

なくなりました。


そして、チバとの関係は、

途切れてしまいました。