主演は、私の大好きな小林薫。
この映画は、彼で支えられています、
と言っても、過言ではありません。
小林薫。
「何でも、よぉ、わかってはんなぁ。」
と言うのに、つきます。
評論家の宮崎哲弥や勝谷誠彦は、
「何でも、よぉ、知ってはんなぁ。」
です。
ここが、「知る」と「わかる」の、差です。
「わかっている」から表現できるかと言うと、これも、一概に言えません。
「わかっていても」、できないことがあるのです。
この差は、大きい、のです。
表現できてこそ、初めて、人に伝わるわけですから。
一つ一つの表現事態は、少し、やりすぎ感は、あるものの、
元々は、落語の話ですので、
これくらいオーバーなくらいが、ちょうどです。
それらを、全部、踏まえた上での、
小林薫の演技に感嘆です。
公式サイトでも、大竹まことが、
小林薫に絶賛しています。
彼自身も、非常にしゃれ気のある人間性なのでしょう。
そうでなければ、これらの演技は、生まれてきません。
相変わらず、
浅田美代子の若作りは、痛々しいです。
彼女の目元のたるみは、すっかり「おばあちゃん」です。
それと、唇のタテジワが、かなり目立ちます。
けれど、髪型と服装だけが若いので、
見ていて、辛いものがあります。
黒木瞳や大地真央と比べてあげるのは、
かわいそうですが、
やはり、全体のバランスは、大事ですから、
見た目と服装等は、合わせてほしいものです。
けれど、首のシワが目立たないのです。
それが、妙です。
夫のいい加減さに痛恨のいやみを言う顔つきも、
いやな感じが、よく出ています。
それと、びっくりしたのは、
筒井道隆の髪の薄さ加減です。
頭頂部に来ています。
彼の筋ばった手と髪の薄さの
コントラストが印象に残ります。
安田成美のホワンとした感じも、
また、いいということでしょうが、
ホワンとしていながらも、
言うことや、することが、
エゲツナイ、です。
結局、人のいい警備員さんに迷惑が及ぶのは、
まったく考慮できないのです。
また、工事費の代金は、
誰がもつのか、変に心配してしまいます。
ポイントとなる「らんちゅう」ですが、
調べたところ、200万円もする「らんちゅう」は、
見つかりませんでした。
だれが、ご存じであれば、
教えてください。
非現実的なお話なので、
その他にも、つじつまが合わないのは、
あたりまえです。
それを、差し引いても、
十分、お話としては、楽しく観ることができました。
撮影は、真夏のうだるような暑さの中で
行われたようです。
それを感じながら、観るのも、面白いかもしません。