その後も、彼女は、何人かの男性と
お見合いのようなことをしましたが、
うまくいきませんでした。
また、しばらくして、連絡があり、
「付き合っている人がいる。」と言うのです。
私は、非常に興味を持ちました。
その彼は、彼女いわく、
「コスト意識が高い」と言うのです。
平たく言えば、「ケチ」、「シブチン」と呼ばれる人種です。
彼は、日本でも有数の経済研究所に勤めていて、
年収は何千万クラスです。
二人のデートの場所は、常に公園です。
公園であれば、タダだからです。
毎週、二人は東京中にある公園を歩き続けたわけです。
ある公園の横に高層マンションが建てられていました。
そのマンションを見て、彼が言ったそうです。
「この公園を自分の庭だと考えたら、○○千万だったら、安いよね。」
彼女は、私に、ある公園に行くことを勧めてくれました。
当時、私には、一緒に食事を誘ってくれる男性がいました。
ある大学病院の医師でした。
彼女もその医師に会ったことが、あったのです。
「二人で行ってきなよ。いいよぉ、あの公園。
○○さん(私)と先生が歩いているところ、想像しちゃったよ。」
この二人は、どうも、心を通わせ合って、
毎週、デートしているようではないようです。
何せ、他人のデートしている姿を、
想像しているくらいです。
二人は、夕食にマクドナルドに行くことになりました。
「夕食に、マクドナルド?」と思ってしまいますが、
彼にとっては、ごく、普通のことだそうです。
マクドナルドでお得なセットが販売されたので、
それを食べに行ったというのです。
ところが、それだけではおなかが満腹にならずに、
別の店で軽食を食べることになり、結局のところ、
二重にお金がかかります。
「マクドナルドでいくら、この店でいくら。
結局、高くついてしまったなぁ。」
彼は、しみじみと話しました。
コスト意識にこだわる彼にとっては、それは、許せないことでした。
そんな風にして、三か月近くの日が流れていきました。
彼女は、あせります。
何せ、「トラ年」の子供を産まなければいけないわけです。
「まいったよ。手もつないでこないんだからさぁ。」
二人は、延々と、公園を歩き続けているだけでした。
つづきは、あらためて。