彼女から連絡があり、

二人でご飯を食べに行くことになりました。

「最近、無言電話がよくかかるのよねぇ。」と

彼女は、話はじめました。

「警察に電話した方が、いいんじゃない。」

と私は勧めました。

犯罪は、小さいうちに芽を摘むべきだと考えたからです。


「相手は、わかってんのよ。」

彼女は、サラリと言います。

同じ故郷の出身で、フリーライターのバツイチの男性と言うのです。


結婚にまっしぐらの彼女にとっては、

絶好の相手の一人でした。


彼女は、ある一定レベルの大学を卒業して、

東証上場一部の会社に勤めました。

現在は、アルバイトの身の上です。

特にこれと言った技術も持ち合わせていません。

コンピュータができるわけでもなく、

簿記がわかるわけでもなく、

美容師や看護師でもないという

中途半端な状態です。


容姿もいたって普通です。

よくもなく、悪くもなく、

年相応に見え、

中肉中背と言う目立たないタイプです。

しゃべり方に、特徴があり、

「アワアワ」と言った感じがします。

私個人としては、非常に話しかけやすいタイプに見えます。


その男性と彼女は、

同じ故郷の友人と県人会のような集まりに出て、

知り合ったということです。

ここでも、頑張っている彼女が、わかります。


そこで、二人は、深い関係になりました。

彼女は、サラリと私に言います。

「あれ、私、話さなかったけ?」

そこで、彼女は、早速、今までの努力を試したわけです。

相手の男性は、

「ケナゲ、だね。」と彼女の行為を褒めたそうです。

「(セックスの勉強を)頑張った甲斐が、あったよぉ。」

私は、大笑いです。

少なくとも、この時点では、彼女の努力は報われています。

彼女は、嬉しいそうに話しますが、

そこから、どうして、無言電話につながるのかが、

問題です。


相手の男性は、一度、結婚に失敗しているので、

もぉ二度と結婚はしたくないという考えでした。

要するに、彼女とは自由な立場で会いたい、と言うことらしいのです。

それは、彼女の本意ではありません。

彼女は、きっぱりと「結婚か別れか」と迫り、

結局、別れになったそうなのです。


けれど、彼女の妙技に魅せられた男性は、

彼女ともう一度、寝たい、

けれど、結婚はしたくない、

その迷いが、無言電話につながったのです。



まだまだ、彼女の婚活は、続きます。

続きは、別の日に。