【ノルウェイの森】が2010年秋に映画化されるそうです。
たいへん、ショックです。
作者の村上春樹氏は、今まで、
映画化を断り続けていましたが、
説得されて、承知したということです。
ワタナベ君は、松山ケンイチ、です。
彼が、いいとか、悪いとか、と言う問題ではなく、
やはり、古い考えと言われるかもしれませんが、
この作品に関しては、
アンタッチャブルで、そっとしておいてほしかったのです。
ワタナベ君は、
見かけは、普通で、目立たない風貌ですが、
彼は、ファッションに、彼なりにこだわりを持っています。
それは、人から「おしゃれ」と言われる類のものでは、ありません。
そして、彼の中にある「何か」を感じた人間だけが、
彼に近づいてきます。
特に、彼は、しゃべり方に、
特徴があります。
サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(ライ麦畑でつかまえて)の
主人公のような、話し方と言うことです。
これを、どんな風に、表現するのでしょうか。
私も、この小説は、読んだことがあります。
「ライ麦畑でつかまえて」は、
【セオリー】という映画で
殺人者がこの本を買いあさっていました。
ジョン・レノンの殺人者もまた
この本に執着していたのです。
また、ケネディの暗殺者とされているオズワルドも、
この本にこだわっていました。
多くの意味を含んだ本であることは、
よく、わかります。
ワタナベ君は、どこか淡々としていますが、
本当は、熱い心を持っています。
人一倍、敏感な神経です。
松山ケンイチは、顔に特徴がありすぎるのです。
見た目が、普通だけに、ワタナベ君の何かを感じる人間は、
彼の容姿にとらわれないのです。
監督が、フランス人と言うことですので、
もしかしたら、【デスノート】のエルを観て、
彼に何かがあると思ったのかもしれません。
ワタナベ君は、一回、会っただけで
覚えられる顔立ちであっては、いけないのです。
もちろん、それは、私の勝手な
想像のものですから、
「チャンチャラ、おかしい」と言われれば、
言い返す言葉もありません。
私は、以前のブログでも書きましたが、
精神のバランスを失った友人がいました。
彼女と私の関係は、他の人には、理解できないでしょう。
また、理解を求めるようなものでは、ありません。
ワタナベ君とキスギの関係に似ています。
非常に特殊なものなのです。
それ以来、私にとって、【ノルウェイの森】は、
バイブルになりました。
村上春樹氏の作品には、
日本人独特の湿気がありません。
重たい題材であっても、
彼が描くことによって、
陰鬱さがなく、それでいて、
心にきちんと形跡を残してくれます。
そういう意味においては、
フランス人の監督が、
描くことは、いいことかもしれません。
けれど、
やはり、かたくなと言われても、
【ノルウェイの森】だけは、
そっとしておいて、欲しかったのです。